(『天然生活』2021年1月号掲載)
ちえさん流「台所」の整え方
取り出しやすく、片づける
「今日はこれを使おう」と思ったとき、ワンアクションでさっと気軽に道具を取り出せる配置を考えています。
せいろや鍋はガスレンジの近くに
料理に使う鍋類は、ガスコンロの斜め下の引き出しに収納。この最短の距離感が、いろんな鍋を気軽に取り出せるコツ。
野菜やハード系のパンを蒸すなど、冬はとくに活用頻度が高くなるせいろは、ビンテージのコーヒーメーカーとともにレンジフードの上に。
手入れの道具はすぐ出せる場所に
鍛冶師である「omoto」の鈴木康人さんに勧められて購入した砥石は、目の粗さ違いで3種類。水分をしっかり含ませて研がなくてはいけないので、シンク下の引き出し内へ。
「『切れ味が落ちたかな?』と感じたタイミングで取り出し、研ぐようにしています」
ちえさん流「アイテム」のまとめ方
収納場所はカテゴリーごとにまとめる
「このアイテムは、これらの仲間」というふうに、収納場所をグルーピングしておくことでしまう場所の迷いを削減。それぞれさっと取り出せる工夫も忘れずに。
書類はとりあえず箱に入れて保管
部屋の西側の壁には、夫婦ふたりの本を収める本棚を配置。そのうちの1段は「無印良品」のファイルボックスをズラリと並べ、書類入れに。
掃除道具を並べて収納
洗濯機横は掃除道具関連の定位置。さっと掃けるほうき、「マキタ」のハンディクリーナー、水ぶき用モップなどを取り出しやすい位置に集結。
ふた付きの白いケース内には洗剤類、かごには使い捨てタイプの雑巾などを入れている。
クローゼットは扉なしで、片づけやすく
右側が夫・大輔さん、左側がちえさんの衣類。ケースの中にはカットソーや肌着関係、かごには布バッグなどを収めて。
ちえさん流「気持ちのいい1日」の始め方
朝に整理整頓&掃除を済ませ、リセット
仕事に出かけた留守中、猫2匹を残していくので「出しっぱなし」は厳禁。気持ちよく一日を過ごすために、朝の整えや掃除が習慣になりました。
床掃除は、水ぶきで仕上げる
掃除機は毎日、水ぶきモップも3日に一度はかけるように。モップはタオルを挟み込むタイプで腰をかがめる必要がなく、それほど力を入れなくてもスイスイ進むので楽。
「大サイズなのでそれほど時間もかからず1周できます」
木製カトラリー類はかごで乾かす
湿気を嫌う木のスプーンやすりこぎ、箸類などは、かごに入れてしっかり乾燥させてからしまう。「これくらい軽いと、万が一猫がひっくり返しても大丈夫」。
20年近く愛用している竹かごは、職人さんにオーダーした思い出の品。
出した器は食器棚に戻す
朝食に使った器類は、洗ったあと身支度をしている間にしばらく乾かし、外出前にまた食器棚へ。
留守中に遊び回る猫たちが、倒したり壊したりしないよう、部屋にあるものを見渡し、「これは危ないな」というものは収めるように。
ほっとひと息いれるお茶タイム
片づけが終わったら、朝のあわただしい時間を区切るように、お茶で一服。
「物理的なリセットを終えて、次にメンタル的なリセットですね。ふだん仕事がある日はお店で、休日は自宅で。この時間をもつことが、心の整えになります」
〈撮影/有賀 傑 取材・文/田中のり子〉
長谷川ちえ(はせがわ・ちえ)
エッセイスト、福島県三春町にある器と生活雑貨の店「in-kyo」店主。夫と猫2匹と一軒家暮らし。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです