(『天然生活』2020年2月号掲載)
中山さんの夜のお手当て
オイルを使ってやさしくケア
冷えを防ぐため、体が水分を外に出さないようにしています。そのため、体内の水分調整を司る腎臓に大きな負担が。
まずは、腎臓をはじめとするおなかまわりをほぐし、さらに脚をマッサージしてむくみを解消。寒さで縮こまって凝りがつらくなる、首と肩もほぐしましょう。オイル(さくらんぼ大)を手に取りマッサージすると心地よく、より効果が期待できます。
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寒くなると弱りがちな腎臓や肝臓の健康維持にはダンデライオン(右)のオイルがおすすめ。オイルを塗った手を気になる個所に押し当てるだけでもいい。そのほかヨモギや(中)、カモミール(左)のオイルでも
脚のマッサージ
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足首やふくらはぎをほぐすとリンパの流れがスムーズに。足の指の間に手の指を入れ、もう片方の手で足首を押さえた状態でゆっくりと回す(イラスト右)。足首からふくらはぎに向かってさすり上げる(イラスト左)。
おなかのマッサージ
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左手を左の腎臓(背中側、左わき腹の腰より少し上の位置)あたりにあて、軽く押し右手を重ねる(イラスト右)。手のひらで押しながら右下腹部までゆっくりもっていく。
同じ手のまま、おへその周りを時計まわりにマッサージ(イラスト左)。反対側も同様に行う。
首と肩のマッサージ
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左側の背中の肩甲骨の内側から肩に向かって右の手のひらで引っ張り上げるようにマッサージ(イラスト右)。
その際に、反対側の手でひじを押しながらストレッチを加える(イラスト左)。
肩甲骨から肩、首の上から下、腕からひじにかけてよくさすってほぐす。逆側も同様に行う。
穏やかなオイルの香りで、凝り固まった体と心をほぐしていく
「体をいたわるのにおすすめなのが、ハーブを使ったお手当て。ハーブにはそれぞれに多くの効能があるので、難しく感じる人も多いかもしれませんが、たいていのハーブには自律神経をチューニングする作用があり、体から余計なものを出そうとする効果もあります。
疲れをとるのに必要なのは、神経を鎮めることと、体内の滞りを解消して、めぐりをよくすること。ドライハーブやオイルであれば効き目は穏やかですから、まずは好きな香りを見つけ、毎晩楽しみながら、始めてください」
ハーブの香りに包まれて、凝り固まった体と心をほぐしていく。手で体の気になる部分をさすって温めているうちに、いつしか、呼吸がぐんと深く、楽になっていることに気づきます。
「毎晩、自分の体と向き合う時間をつくることで、これまで見逃しがちだったちょっとした不調にもすぐに気がつけます。それを穏やかな自然の力でいやしていけば、体は少しずつ強く、そして確実に健やかに変わっていけるのです」
〈撮影/山川修一 取材・文/福山雅美 構成/鈴木麻子 イラスト/須山奈津希〉
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中山晶子(なかやま・あきこ)
月とハーブと暮らしのお店「マヒナファーマシー」店主。ハーブや植物のオリジナルプロダクツを中心に、雑貨や食品も扱う。ワークショップなども定期的に開催。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです