天然生活 最新号

好きなコーヒー豆を買ってきて自宅でおいしく淹れられたら、暮らしが一段と豊かになるはず。そこで「カフェ ヴィヴモン ディモンシュ」店主・堀内隆志さんにコーヒーをおいしく淹れる方法を教わりました。堀内さん厳選の「コーヒー豆」の特徴を紹介します。
(『天然生活』2020年2月号掲載)

いろいろ飲むことで、好みのコーヒーが見つかる

画像: いろいろ飲むことで、好みのコーヒーが見つかる

どういうコーヒーをおいしいと思うかは人それぞれですが、自分好みの1杯を見つけるには、まずは「焙煎」に目を向けるといいのでは、と堀内さん。

「コーヒー豆は、さくらんぼのような果実の種です。水洗いしたり天日干ししたりといった精製を経た生豆に、熱と圧力を加えてコーヒー独特の味を引き出すのが、焙煎です。同じ豆でも、焙煎によって、違うおいしさが味わえることもあるんですよ」

焙煎は、その度合いによって、中煎りならベリーや柑橘にたとえられる酸味が、中深煎りならチョコレートのような苦味など、いろいろに味わえます。ディモンシュをはじめ、最近は自家焙煎の店も増えているので、好みの焙煎がわかると選びやすいそう。

産地や農園、精製法などでも味わいが異なるため、たくさん飲んでみてほしい、ともいいます。

「いろいろなお店で飲んでみて、おいしいと感じたコーヒーの豆を買うところから始めるのもいいですよね。コーヒーが、自宅でいい時間を過ごすツールになったらうれしいですね」

代表的なコーヒー豆と特徴

コーヒーは、産地、精製方法、焙煎度合いなどによって、さまざまな種類があります。堀内さんが厳選したおすすめのコーヒー豆を紹介します。

深煎り

インディア・バルマアディ/ナチュラル

画像1: 深煎り

紅茶の産地としても有名なインドのニルギリでつくられているコーヒー。太陰暦に基づいた農業暦に従い種まきや収穫を行うなどする、バイオダイナミック農法という有機栽培の一種で栽培されている。なめらかな口あたりとドライプルーンのような果実感にファンが多い。

インドネシア・マンデリン・リントン・ドロックサングル

画像2: 深煎り

マンデリンは、スマトラ島で栽培されるアラビカ種(世界で最もよく飲まれている品種)のコーヒー豆の銘柄。リントンマンデリンは、なかでも厳正な品質管理をしていて、高級銘柄となっている。ビターで、「アーシー」といわれる土感のある深い味わいが魅力。

中深煎り

ブラジル・ミナス・ジェライス/サンタカタリーナ ナチュラル

画像1: 中深煎り

ブラジルはコーヒーの生産量世界1位で、そのブラジルのなかでも、ミナス・ジェライス地方がNO.1の生産量を誇る。ローストナッツのような香りと、苦味が少ないバランスのいい味は、これぞコーヒーという、毎日飲んでも飲み飽きないおいしさ。ディモンシュで一番人気がある。

グアテマラ・アンティグア/ウナプ・デュエナス

画像2: 中深煎り

世界遺産の街としても知られるアンティグア産。火山灰によりミネラルなどの栄養分が豊富な土壌となっている、火山の麓の農園でつくられた。チョコレートやキャラメルで表現される、ビターでコクのある味わいが特徴。ミルクにも合うので、カフェオレにおすすめ。

中煎り

エチオピア・イルガチェフ/G1 ナチュラル

画像1: 中煎り

コーヒー発祥の地ともいわれているエチオピアのなかでも、イルガチェフは最大の生産地。フラワーやベリーにたとえられる華やかな香りがある。苦味は少なく、ほどよい酸味が独特の味わい。ディモンシュの中煎りの豆のなかでは一番人気があり、メロンパンのような香りとも。

コスタリカ・アルトス・デル・アベホナル/ディビーニョ・ニーニョ アナエロビコ

画像2: 中煎り

堀内さんが自ら農園へ足を運び、買いつけてきたコーヒー豆。世界的にいま一番注目を集めている。タンクで48時間発酵させてから乾燥させるアナエロビコという新しい精製法でつくられている。ドライいちじくやカスタードのような甘い香りと、丸みを帯びた味わい。



〈撮影/元家健吾 取材・文/長谷川未緒〉

堀内隆志(ほりうち・たかし)
1994年に鎌倉にオープンしたカフェブームの先駆け的存在「カフェ ヴィヴモン ディモンシュ」の店主。選び抜いた豆でていねいに淹れるコーヒーのおいしさもさることながら、穏やかな人柄にファンも多い。

※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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