(『天然生活』2023年3月号掲載)
石黒さんちの掃除ルール 01
場所に適した道具を使う
ときには「掃除道具」ではないものを使ったり、自分でつくったり。それぞれの掃除場所の特徴を見極め、最適な道具を使います。
台所のブラシは形状と機能で使い分ける
シンク洗いには「オクソー」のブラシをカスタマイズ。中央のくぼみに洗剤を垂らして使う。裏には同じ大きさの缶バッジを貼りつけた。
まな板用は昔パリで購入(写真左)。水切りかごのカルキ落としは「オクソー」の野菜洗い用ブラシで(写真右)。
窓の桟はペンキ用ブラシが活躍
窓の桟は「イケア」のペンキ用ブラシで掃除している。「塗装用に購入しましたが、使ってみると細い溝の掃除にちょうどいい。見た目も好きです」
ひと手間加えて作業を快適に
鍋つかみ用の赤い軍手は、古びてきたら戸棚などのガラスふきに使用している。「手首のゴムを抜いて締めつけがないようにしているので快適です」
カスタマイズしたPCのほこり取り
「市販の取っ手部分が好きになれず、ストックしていた木の棒を使ってつくり替えました」。市販のモップ部分は、汚れてきたら付け替えている。
石黒さんちの掃除ルール 02
適したやり方で、効率よく、心地よく、清潔に
ぶれないテーマは「いかに楽に、快適に家事をするか」。たゆまぬ研究の成果が、ここでも息づいています。
さわやかな香りのはっか水と、新聞紙で窓をきれいに
マイクロファイバークロス、アクリル軍手など、いろいろ試した結果、「窓の外側は新聞紙でふくのが一番楽という結論に。ハッカ油は香りもいいし、汚れもよく落ちます」
はっか油:アルコール:水を1:10:100の割合でスプレーボトルに入れて使用。
トイレ掃除前に桶1杯の水を準備
夜、寝る前に4Lの水をトイレに流し、水面を下げてからトイレ用洗剤を回しかけておく。「汚れたトイレを掃除したくないので、予防掃除です」
油汚れはアルコールをスプレーして
コンロの換気扇まわりの油汚れは、濃度60%のエタノールで掃除。「布に直接つけると手に触れて手荒れしてしまうので、スプレーボトルに移し替え、直接換気扇まわりに吹き付けます」
石黒さんちの掃除ルール 03
しまう場所、しまい方に理由があります
自分だけでなく、家族も掃除がしやすいように。すぐ手に取れる場所、さっと運べる状態が石黒家の基本です。
いつも通る場所に納戸をつくる
寝室と居間をつなぐ納戸。その一角に、さまざまな掃除道具が吊るしてある。「行き来することが多いので、家族のだれもが手に取りやすいし、元に戻しやすい。しかも空いているフックを見れば、置き忘れにも気づけます」
持ち運び簡単なホウロウ容器に
洗面所の小掃除に使うための歯ブラシや、小さくカットしたスポンジなどをまとめてホウロウの容器に。「掃除の際はこれを洗濯室から持ってきます」
フロア用モップのシートは使い捨てで
「モップを洗う手間を省きたい」から、石黒さんは使い捨てを選択。シートは「大きさと値段で選んだ」という台所用ペーパータオル。
装着時は、上にトイレットペーパーを。「汚れたシートが本体に直接当たらないので本体を汚さずにすみます」
取り出しやすいよう、シートはテーブルの引き出しに重ねて置いてある。
〈撮影/杉能信介 取材・文/嶌 陽子〉
石黒智子(いしぐろ・ともこ)
雑誌や書籍を通じて収納、家事のアイデア、暮らしの工夫、道具の選び方などを独自の視点で発信。「亀の子スポンジ」など、台所用品の商品開発、商品評価の仕事でも活躍している。著書に『60歳からのほどよい暮らし』(PHP研究所)、『60代 シンプル・シックな暮らし方』(SBクリエイティブ)など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです