（『天然生活』2023年11月号掲載）
“若々しくて元気な体”の秘訣は「胃腸」にあり
健康な胃腸とは「食べ物をしっかりと消化して、毎日きちんと便が出る状態です」と教えてくれたのは料理家の真藤舞衣子さん。
「唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素が、食べ物に含まれるデンプンを分解して、消化を助けてくれます。便秘になったり、おなかがゆるかったりする人は、よくかんで食事をしていない人が多いのですが、よくかまないと消化を助ける唾液が出ないからなんです」
胃腸の健康には菌も関係しています。悪玉菌が増えると腸の中に有害物質を発生させ、便秘や下痢、免疫力低下、肌荒れなどを引き起こします。
この悪玉菌を抑制するには、善玉菌の働きを促すことが大切。「善玉菌を増やすには、便秘の解消と、善玉菌のえさになる“発酵食品”を食べることです」
唾液をよく出すための3つのポイント
1.よくかむ
食材を大きめに切ったり、歯ごたえのあるものを選びます。でも、あくまで適度な大きさ、かたさに仕上げてください。
2.酸味のあるものを取り入れる
梅干しやレモン、お酢などは、きゅっと唾液が出ます。あまりかめないという方は、酸味のあるものを摂るといいでしょう。
3.発酵食品を摂る
善玉菌のえさになるのはもちろん、発酵食品は腸内環境を整えます。
40代の半ばごろから、唾液の分泌量が減少してくるといいます。“よくかんで食べる”だけでもその改善につながるので、日々の食事にぜひ取り入れてみてください。
ホットサラダのつくり方
ケール、ザワークラウト、ひまわりの種で食感よく。体が冷えないホットサラダは、女性におすすめです。
材料（つくりやすい分量）
| ● 発酵ザワークラウト（＊） | 100g |
| ● かぼちゃ（薄切り） | 1/8個分 |
| ● ケール（ひと口大に切る） | 2、3枚 |
| ● ブロックベーコン（5mm厚さの短冊切り） | 50g |
| ● ひまわりの種（または好みのナッツ） | 大さじ2 |
| ● オリーブオイル | 大さじ2 |
| ● 黒こしょう | 適量 |
| 〈しょうがドレッシング〉 | |
| ・しょうがのすりおろし | 1片分 |
| ・白ワインビネガー | 大さじ1 |
| ・はちみつ | 大さじ1 |
| ・塩 | 小さじ1/2 |
つくり方
１ 熱したフライパンにオリーブオイルを入れ、ベーコンを入れて炒め、かぼちゃを炒め合わせ、最後にケールを入れて炒め合わせ、黒こしょうをふる。火を止めて、ザワークラウトとひまわりの種を混ぜ合わせ器に盛る。
２ しょうがドレッシングの材料をすべて合わせ、よく混ぜて１にかけていただく。
「ホットサラダ」のポイント
温かいサラダはしょうがのドレッシングと組み合わせて体を温める一品に。また、ケールは火を通しても歯ごたえ十分。ひまわりの種も食感のアクセントに。発酵しているザワークラウトもポイント。
＊発酵ザワークラウトのつくり方
材料とつくり方（つくりやすい分量）
キャベツ500gをせん切りにして、2％の塩（キャベツ500gの場合塩10g）でよくもむ。保存容器に入れ、常温で5、6日ほど（夏場は3〜4日ほど）発酵させたら冷蔵庫に入れる。
＊冷蔵庫で10日間保存可能
〈撮影／萬田康文 スタイリング／駒井京子〉
真藤舞衣子（しんどう・まいこ）
料理家。発酵研究家。会社勤務を経て、1年間京都の禅寺で生活。フランスへの料理留学後は料理教室を主宰するほか、雑誌や書籍で活躍。著書に『真藤舞衣子の まいにちおいしい！豆腐と油揚げ』（高橋書店）など。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
