(『天然生活』2021年11月号掲載)
自然に沿った暮らしの積み重ねが、免疫力を高める
「状況によってはある程度の対策も必要ですが、それは病気の原因や対策を外=他者軸に求めることであり、本質ではない。重要なのは自身の免疫力を上げて、病気に対する防御力を高めること、つまり自己軸が中心の生き方なのです」と本間先生。
そのために特別なことをする必要はありません。大切なのは、「これは自然に則しているか」と意識しながら暮らしとていねいに向き合う、そんな日々の積み重ねです。
「ウイルスを過度に恐れないためには、日常生活を整えて内なる力を高めることが一番。無理せず、できることを続けていくといいと思います」
自然治癒力を高める暮らしとお手当て 01
「梅醬番茶」を飲む
熱い番茶に、梅干し1個としょうゆ数滴を入れる梅醬番茶は本間家の定番。風邪のひき始めには、生のしょうがをすりおろしたものをたっぷり入れて。
自然治癒力を高める暮らしとお手当て 02
腹痛には「塩温石」
腹痛のときに活躍する塩温石。自然塩500gを土鍋か厚手のフライパンに入れて10分ほど弱火で炒り、厚手の布袋に入れて患部に当てると楽になる。
自然治癒力を高める暮らしとお手当て 03
やけどや傷には「びわの葉酒」
びわの葉を焼酎に漬けた葉酒は、やけどや傷などに効果が。やけどの場合は部位ごとに浸すのがポイント。びわの葉は冬の大寒の時季に採取するとよい。
自然治癒力を高める暮らしとお手当て 04
消化不良や風邪には「梅肉エキス」
梅肉エキスは消化器の不調や疲労、風邪などに効く万能薬。大人は大豆一粒分、子どもは耳かき1杯分をお湯に溶いて飲む。血液をさらさらにする効果も。
自然治癒力を高める暮らしとお手当て 05
「納豆」を手づくりする
本間家の納豆は手づくり。好みの大豆と市販の納豆から簡単につくれる。この日の納豆は「鉄分を補いたかったので黒豆にしました」と理恵さん。
自然治癒力を高める暮らしとお手当て 06
「味噌」を手づくりする
肉や魚を漬け込む味噌床。1〜2回漬けたら水分が出てくるので火にかけてとばし、味噌を少し補っておく。この方法で2カ月くらいは使い続けられる。
自然治癒力を高める暮らしとお手当て 07
「手洗い用石けん」を手づくりする
ピュアオリーブ油、苛性ソーダ、精製水に麻炭パウダーを加えてつくったもの。麻炭には汚れを落とすほか、さまざまな効果が。
自然治癒力を高める暮らしとお手当て 08
皮膚トラブルには「よもぎのバーム」
よもぎのバームは虫刺されや切り傷など、皮膚のトラブル用に本間家で常備しているもの。よもぎの葉には、抗菌や排毒などさまざまな作用がある。
自然治癒力を高める暮らしとお手当て 09
塩素を取り除く「浄水器」を設置
水道水に含まれる塩素は胃腸障害、アレルギー性疾患、動脈硬化など、健康にさまざまな影響を与える。本間家では浴室のシャワーヘッドにも浄水器を設置。
自然治癒力を高める暮らしとお手当て 10
自然食品店の調味料を取り入れる
家で手づくりしたもの以外に市販の調味料を使うことも。「有機栽培の原料でつくられたもの、天日塩を使ったものなどを自然食品店で探して買っています」
自然治癒力を高める暮らしとお手当て 11
洗濯や掃除にも「自然素材」のものを
重曹、クエン酸、セスキ炭酸ソーダ、酸素系漂白材、洗濯石けんをそろえておけば、たいていのものはきれいになる。
自然治癒力を高める暮らしとお手当て 12
加工食品を減らし、畑の野菜を
体に負担をかける添加物が含まれた加工食品はなるべく減らし、自然のものを食べることが信条。畑で採れる野菜を中心に、献立を組み立てるのが習慣。
〈撮影/林 紘輝 取材・文/嶌 陽子〉
本間真二郎(ほんま・しんじろう)
医師、医学博士。2001年より3年間、米国のNIH(国立衛生研究所)にてウイルス学、ワクチン学の研究に携わる。帰国後、大学病院勤務を経て2009年、栃木県那須烏山市に移住。地域医療に従事しながら自然に沿った暮らしを実践。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです