(『天然生活』2021年12月号掲載)
〈精をつけ、体を温める冬レシピ〉
山いもの酒粕ポタージュのつくり方
山いものとろみと酒粕のコクで、乳製品なしでも満足の味わい。
材料(2人分)
● 山いも(冷凍のとろろパックでも可) | 100g |
● 長ねぎ(白い部分) | 2本 |
● 酒粕 | 大さじ2 |
● 鶏スープ | 350mL |
● オリーブオイル | 大さじ1 |
● 塩 | 小さじ1 |
● 黒こしょう(好みで) | 適宜 |
つくり方
1 山いもは皮をむき、すりおろす。長ねぎはみじん切りにする。酒粕はあらかじめ鶏スープを加え、やわらかく戻しておく。
2 鍋にオリーブオイルと1の長ねぎを入れて弱火にかけ、全体がとろっとするまで炒める。
3 1の鶏スープと酒粕を加え、中火にする。沸騰したら1の山いもを加え、塩で味をととのえる。器に盛り、黒こしょうをふる。
「山いもの酒粕ポタージュ」のポイント
山いもは体を潤し、腎を補います。長ねぎは体を温め、風邪を予防。酒粕は胃腸を整え体を温めます。
立冬から立春には「腎」をいたわる食材を
東洋医学では、春は「青」(緑の葉野菜など)、夏は「赤」(トマトやスイカ)といった具合に、季節に積極的に食べるべき食材の色が示されていますが、冬は「黒」。
黒い食材以外にも、旬の食材などを意識して取り入れていくと、腎に精がチャージされていきます。
「肺や肝といった他の臓器の元気がないと、腎は自分を後回しにして精を分け与えてしまうんです。だから腎が元気になるには、実感するのに少し時間がかかります。手に入りやすい豚肉や山いも、黒ごまなどをコンスタントに食べるようにしましょう」
さらに立冬から年末にかけて、とくに食べるようにしたいのは、東洋医学では「陰」と呼ばれる「潤い」を補う食材です。陰は血液やリンパ液、肌や髪の潤いなど、人体にある有益な水分のこと。
「陰とは、お風呂を沸かすときのお湯のようなもの。潤いがないと、いくら厚着をしたり、温める食材を食べたりしても、体は温まらない。だから本格的な寒さが到来する前に、しっかり潤いをチャージしておく必要があるのです」
年明けからは本格的な寒さ対策を。長ねぎやにら、適度な香辛料を使って、体を温め、胃腸をいたわる料理を食べるようにします。
〈イラスト/松尾ミユキ 撮影/山田耕司 取材・文/田中のり子〉
瀬戸佳子(せと・よしこ)
国際中医学薬膳師。東京・青山の「源保堂鍼灸院」にて「簡単、おいしい、体によい」をモットーに、東洋医学に基づいた食養生のアドバイス、レシピ提案を行っている。著書『お手軽気血ごはん』(文化出版局)が好評。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです