• インテリアを暖かく整えたり、おいしいものを仕込んだり。ほっこりと、心地いい家時間を過ごすための、冬の準備を聞きました。今回は、「北の住まい設計社」を営む渡邊雅美さんの冬じたくを紹介します。
    (『天然生活』2021年12月号掲載)

    秋から冬への移ろいとともに、冬じたくも少しずつ

    窓の外を見ると、木の葉が色褪せて乾いてきた。一歩外に出れば頰をなでる風に冷涼な気配。

    北海道に暮らす渡邊雅美さんは、紅葉を迎える一歩手前で「冬が来るなあ」と、秋の訪れとともにその先の冬の足音も感じると話します。

    北海道旭川市中心部から少し離れた、緑生い茂る森の中。夫とともに「北の住まい設計社」を営む渡邊さんは、カフェとショップの責任者として、年末以外ほぼ休みのない毎日を過ごしています。

    「考えてみれば、仕事でもそうですけど、私、区切りっていうものをつけないんですね。いつも複数のことを同時進行。仕事も忙しいので、冬の準備も肌で感じる四季の移ろいに急かされるように少しずつしている感じです。衣替えも段階的に、秋から冬へ、冬から厳冬へという感じで、あっちをしまったらこっちを引っ張り出してきてって。だから、ちっとも片づいていないんですよ」

    画像: 広い敷地を豊かな自然に囲まれた渡邊家。写真手前にビニールハウスが、右奥にはぶどうの木といちご畑、サウナ小屋もある

    広い敷地を豊かな自然に囲まれた渡邊家。写真手前にビニールハウスが、右奥にはぶどうの木といちご畑、サウナ小屋もある

    大好きなスウェーデンのエッセンスをそこかしこに

    季節の変化と同じように、グラデーションで進む渡邊さんの冬じたく。そのいたるところにちりばめられていたのは、スウェーデンのエッセンスでした。

    「30年以上前、スウェーデンのデザイナーの青年を、1年間うちで研修生として預かっていたことがあるの。彼の両親は現地で設計事務所をしていてとてもセンスがよく、その当時、それはたくさんのスウェーデンの素敵なものを紹介してもらいました。彼のおかげで、北欧デザインのエッセンスが吹き込まれて、うちの家具の基礎もでき上がりましたね」

    画像: 渡邊家を暖めるのは、ペチカスタイルの薪ストーブ

    渡邊家を暖めるのは、ペチカスタイルの薪ストーブ

    そう話しながら見せてくれたのは、スウェーデンのブランケットやクロス、キャンドルにクリスマスの飾りなど。

    もう20年以上愛用しているものも少なくありませんが、洗練されたデザインとつくりのよさは古びることなく、いま見てもとても素敵です。

    「最初はフィンランドでしたが、仕事で通うようになってはや30年、いまはスウェーデンが大好きですね。時を経てなお、気に入っているものがたくさんあります」

    画像: くつろぎの時間の相棒であるブランケットは、希少な羊、ゴットランドシープのもの

    くつろぎの時間の相棒であるブランケットは、希少な羊、ゴットランドシープのもの

    渡邊さんの冬じたくのスケジュール

    〈9月〉
    ・衣替えがスタート
    ・薪ストーブを使い始める
    ・カバノアナタケ茶がホットに変わる

    〈10月〉
    ・庭木の冬囲いをする
    ・足元をあったか仕様に

    〈11月〉
    ・煮込みや鍋物の出番が増える
    ・インテリアがクリスマスムードに

    〈12月〉
    ・大掃除と家具の手入れをする
    ・おせちの演出方法を考える



    〈撮影/古瀬 桂 取材・文/遊馬里江〉

    渡邊雅美(わたなべ・まさみ)
    北海道・東川町で道産無垢材の家具や家づくりを行う「北の住まい設計社」を夫婦で営む。ショップやカフェも併設。http://www.kitanosumaisekkeisha.com/

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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