(『天然生活』2021年12月号掲載)
松本えり子さんに聞く、冬の楽しみ方
秋冬の野山で自然の可憐な造形に魅せられ、室内ではストーブで煮込んだ小豆の湯気と香り、甘味にいやされます。
自然の造形をアートのように
秋冬は自宅近くの山にお散歩に出かけ、小枝や落ち葉、木の実を拾うのが楽しみ。
松ぼっくりなどそのまま飾るものもあれば、テグスなどを使って、ひと工夫することも。
「夏は暑くて虫もいっぱいだけど、秋冬は空気も澄んで、鳥の声もよく響いてきれいです。秋はおにぎりを握って、冬は熱々の味噌汁やスープをジャーに入れて。下山したら、冷えた体を、お風呂でゆっくりと温めます」

テグスを巻きつけ、吊るすだけなので簡単。ワイヤーなどを使うことも

ユニークな形状の枝に、乾燥させた南天の実や葉っぱを吊り下げ、モビール風に。左下に飾った、海団扇とも自然に調和

山で拾ってきた木の実や小枝は、竹ざるで自然乾燥。庭で育てているハスの実も
湯気もおいしいストーブ調理
2台のストーブで暖をとりつつ、土鍋を上にのせて大好物のあんこを手づくり。
「小豆は新物がやっぱりおいしいので、秋になって、道の駅などで見つけると買っておきます。あくを取るために何度かゆでこぼすのですが、3回目くらいになるとあくもほぼ抜け、ゆで汁にも香りや栄養が溶け込んでいるので、塩を入れて小豆スープとして味わいます。あんこをおつまみに、日本酒を飲むことも」

自家製のあんこをお湯でゆるめ、白玉を加えて汁粉に。あんこのみを、お菓子のようにそのまま食べることもあるそう

木べらでかき混ぜながら煮詰めていくと、室内が甘い香りで満たされる

ストーブ調理には、好きで集めている土鍋が活躍。鳥取の岩井窯のものが多い
〈撮影/山口 明 取材・文/野崎 泉、鈴木理恵(TAND)〉
松本えり子(まつもと・えりこ)
京都生まれ。着付師として、人との縁を大切に、きものに携わる。愛猫との暮らしや、和の楽しみなどをSNSで発信中。インスタグラム@ericom_q
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです