(『天然生活』2021年12月号掲載)
松本さんちの冬じたく 01
石油ストーブの冬じたく
初秋になるとリビングに2台のストーブを出して、冬ごもりの準備。長ければ、翌年の梅雨ごろまで使うこともあるそう。
土鍋をのせて、のんびりコトコト、煮炊きものをするのが楽しみ。大好物というあんこや、かぶらの炊いたん、ときには網で干し芋をあぶることも。
愛猫きゅうちゃんとぽんちゃんのために、じか火OKの湯たんぽに水を入れ、ストーブの上で温めるのも冬のルーティン。
松本さんちの冬じたく 02
きものの虫干しと入れ替え
冬に着る袷をつづらから和簞笥に移し、きものも衣替え。夏に着ていた麻や薄ものは来年までつづらに保管します。
虫干しはサーキュレーターをまわしつつ室内で行い、和簞笥とつづらの両方に京都「松栄堂」の防虫香を。履物もシックな塗りのものなど、玄関にスタンバイさせておきます。
「右の防寒下駄は終い弘法にきもので出かけたところ、足先が冷えるので買ってそのまま履いて帰ったもの」
松本さんちの冬じたく 03
保存食や大根葉の入浴剤を常備
近くの農家から分けてもらう大根葉を縁側で干し、入浴剤を手づくり。
「お鍋で煮出した薬液をお湯を張ったたらいに注ぎ、浴室の洗い場で腰湯をするんです。“干葉湯”といって女性特有の不調に働きかけるそうで、漢方の先生から教えてもらい長年、続けています」
また、梅干し、紅しょうが、金柑シロップ漬け、山椒のしょうゆ漬けは毎年常備。喉が弱いため、金柑シロップ漬けは冬の必需品。
松本さんちの冬じたく 04
懐紙も秋冬物に衣替え
きものでのお出かけはもちろん、洋服のときも便利な懐紙を、秋冬モチーフに衣替え。ハンカチやティッシュ代わりにもなり、メモや一筆箋としても使える優れものなのだそう。
「ストックしているのは、京都の懐紙専門店『辻徳』のものが多いかな。秋はイチョウなど、四季のなかでも、かわいいモチーフが多いんです」
友人に立て替えてもらったお金を返すときに活躍するぽち袋も一緒に準備。
松本さんちの冬じたく 05
冬に備え、ブランケットを手編み
スペインの編み物ブランド「We Are Knitters」が提供するキットを使って、ブランケットを手編み。
SDGsを意識し、糸はすべて天然素材100%で、衣類をリサイクルしたファブリックヤーンなのだとか。
「編み物は数年前にかぎ針編みのモチーフをつないだソファカバーを完成させて以来、大物は久しぶり。このキットはうどんのように太い糸をざくざく編んでいくので、冬前には仕上がりそう」
〈撮影/山口 明 取材・文/野崎 泉、鈴木理恵(TAND)〉
松本えり子(まつもと・えりこ)
京都生まれ。着付師として、人との縁を大切に、きものに携わる。愛猫との暮らしや、和の楽しみなどをSNSで発信中。インスタグラム@ericom_q
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです