(『天然生活』2021年2月号掲載)
深い呼吸で、心と体を整える
「人体力学・井本整体」の指導者として、多くの人の体のケアに携わっている、松下るなさん。
体をいい状態に整えるためのおすすめのケアは「呼吸を深めること」といいます。
朝晩2種類の呼吸法を行っているという松下さんに、深呼吸の方法や、心と体を健やかに保つ習慣を教えていただきました。
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松下るなさんの「ゆるやかな健康習慣」
01 呼吸法① 胸を広げて呼吸を深く
浅くなりがちな呼吸を深めるために、朝起きたときと夜寝る前、胸を広げる呼吸法を行います。
「1日2回、この呼吸法をするだけで、鎖骨の下にある胸鎖関節が広がって呼吸がしやすくなり、肩こりなども改善します」
在宅ワークや家事の合間など、できるときに何度やってもOK。開いた両手を指先まで伸ばし、胸の広がりを気持ちよく感じましょう。疲れたときのリフレッシュにもなります。
02 呼吸法② 骨盤の呼吸で自分をいたわる
腹式呼吸には、ゆがみやすい骨盤を正しい位置に戻し、血液や気のめぐりを促す効果が。
朝行えば活力になり、寝る前に行えば、心身がリラックスして安眠にもつながります。
「骨盤に空気を入れるように呼吸すると、下腹部がじわっと温かくなって腸がごろごろ動き出すことも。手を添えて下腹部に意識を向けるのがポイント。慣れてくると、おなかから気が充実してくる感覚がつかめると思います」
03 足首を冷やさない
太い血管が集中している足首を冷やすと、全身が冷えて血流も滞るそう。松下さんは1年中、足首まわりを冷やさないようにしています。
「足首を温めると、体がほどよく温まって心地いいんです。体が冷えやすい生理のときや寒い日は湯たんぽをプラスして、子宮や仙骨も温めます。足首と腰まわりを冷やさないことが婦人科系のケアにもつながります」
04 二度寝しない
松下さんいわく「二度寝はいいことなし」。睡眠や生活のリズムが乱れ、体の働きも悪くなるとか。
「二度寝をしても疲れはとれませんし、後頭部や腰にゆるみが生じ、1日中、頭がぼーっとしたり、体が動かしにくくなる弊害が。寝足りないと思っても、毎日決まった時間に起きればリズムが整い、体にも負担がありません」
05 パソコン、スマートフォンは楽な姿勢で
手首がひじよりも高い位置でパソコン作業をすると、指先に血液が流れにくく、冷えの原因にも。ひじがやや高くなるように調整します。
「手首が高い状態は肩にも負担がかかります。また、パソコンにまっすぐ向かって作業を続けると疲れやすいので、体を楽な方向に少しねじるように。
スマートフォンは長時間持ったまま使うと、腕や胸の筋肉が疲労し、猫背になるので、なるべく置いて使います」
06 花を活けて話しかける
生きているものに触れ、世話をすることがエネルギーチャージに。
花は自宅でも仕事場でも欠かしません。なるべく野山にあるような自然な雰囲気で活け、毎日話しかけながら水を替えます。
「命に触れると元気をもらえますし、話しかけるのも健康にいいんですよ。口の中の筋肉が適度に刺激され、年配の方は誤嚥性肺炎の予防にもなります。私は冷蔵庫などにもわりと話しかけています(笑)」
〈撮影/砂原 文 取材・文/熊坂麻美〉
松下るな(まつした・るな)
人体力学体操や心理療法を組み合わせたホリスティックケア「人体美学」の指導室を東京に構える。https://lunaseitai.com/ インスタグラム@luna_matsushita
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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