さつまいものこと
秋の人気の食材、さつまいも。中央アメリカ原産で、日本では江戸時代に薩摩地方(鹿児島県)から全国に伝わったため、「さつまいも」と呼ばれるようになりました。
甘くてホクホクした食感が人気の「べにはるか」のほか、「べにあずま」や「鳴門金時」に加え、近年では、種子島特産の「安納芋」など、ねっとりした食感のさつまいもも出回るようになりました。また、アントシアニンを含む紫色の品種や、カロテンを含むオレンジ色の品種などカラフルな品種も流通されています。
さつまいもはゆっくり加熱することで、アミラーゼという酵素が働き、甘くなるので、じっくり蒸したり、オーブンで焼いたりするとよいでしょう。食物繊維が豊富で、また切り口から出るヤラピンが腸の働きを促し、食物繊維との相乗効果で便秘の改善に効果的です。とくに皮にカルシウムが多く、皮の紫色には抗酸化作用の高いアントシアニンが含まれています。よく洗って皮もいただきましょう。
表面についた黒い蜜は甘味が強いサイン。皮の下にアクの成分があるので、水にさらすのが色よく仕上がるポイントです。
さつまいもとクミンのクリームサラダのつくり方
さつまいもと生クリーム、クミン、シブレットと合わせて、すりおろし玉ねぎでつくるドレッシングであえた大人好みのサラダ。
材料(つくりやすい分量)
● さつまいも(べにはるか) | 1本(約350g) |
● 三温糖 | 小さじ1 |
● A | |
・たまねぎ(すりおろし) | 大さじ1 |
・クミンパウダー | 小さじ1/4 |
・塩 | 小さじ1/2 |
・白こしょう | 少々 |
・白ワインビネガー | 大さじ1 |
・オリーブオイル | 大さじ1 |
● 生クリーム | 1/2カップ |
● 塩 | 少々 |
● シブレット(小口切り) | 1/2束分 |
つくり方
1 洗ったさつまいもに軽く塩をしてラップで包み、蒸し器で30〜40分やわらかくなるまで蒸す。
2 シブレットは小口切りにする。
3 ドレッシングをつくる。小さめのボウルにAを入れ合わせる。このとき、さつまいもの味によるので塩は控えめにしておく。
4 1のさつまいもを皮ごとボウルにいれて、3/4量くらいの三温糖を入れてすりこぎ棒などでつぶし、熱いうちに生クリームを加え、味をみて加減しながら残りの1/4量の三温糖を加え、さらにつぶす(つぶし過ぎないように注意)。ラップを掛けて少し蒸らす。
5 3をかけてなじませ、器に盛り、2をかける。
〈料理/松田美智子 撮影/山田 耕司 取材・文/佐藤雅子〉
松田美智子(まつだ・みちこ)
日本料理をベースにした家庭料理の教室を1993年より主宰。鎌倉で育った子ども時代から身近だった保存食づくりを基本に、いまの時代に無理なく楽しめる季節の仕事を提案。著書に『65歳からの食事革命 』(文化出版局) amazonで見る など。
インスタグラム:松田美智子@michiko_matsuda/自在道具@jizai_dougu
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