(別冊天然生活『これまでも、これからも 歳を重ねて楽しむ暮らし vol.2』より)
グレイヘアで気持ちよく、歳を重ねる
「ずっとヘナでカラーリングをしていたのですが、50代になると、3週間ほどで根元の白髪が目立ってくるようになりました。染めるのにも時間がかかりますし、この先10年、20年、ずっと続けていくの? と思うと、気が遠くなってしまって。白くなるたびにネガティブな気持ちにならないため、もう染めるのをやめよう、と57歳のときに決めました」
小さなことから大きなことまで、日々きびきびと選択しながら、自分らしい道を歩んできた広瀬裕子さん。
でも、いま振り返ると、ふだん迷わない自分が、56歳のころは髪全体を明るい色にしたり、細くブリーチを入れたり、試行錯誤をしていたそう。
「グレイヘアにする」と覚悟を決めたことで、道筋ができ、いろいろなことが動きだしていきました。
「大切なのは信頼し、相談できる美容師さんにお願いすることでしょうか。当時たまたま、インスタグラムでインテリアの記事を上げている方がいて、好みがとても合っていたので、たどっていったら、美容師をされているとわかり、サロンにすぐ予約を入れました」
好きなものが同じで、近いセンスでつながっている人だから、髪に関しても広瀬さんの意向がよく伝わったそう。心強いアドバイスをたくさんもらい、移行期も楽しみながら乗りきっています。
「グレイヘアにするときは髪を短くする方が多いと思うのですが、私は切らずに伸ばしていきたくて。根元だけ白いのが目立たないように、まとめ髪のやり方や、頭にスカーフを巻く方法など、美容師さんにいろいろ教えていただいています」
ふんわりさせて移行期の違和感を解消
ショートボブからスタートし、毛先をそろえながら伸ばしていった。髪にボリュームをもたせたり、毛先を巻くことで、はり、こしのなさをカバーするのもポイント
〈撮影/井上実香 取材・文/長谷川未緒〉
本記事は別冊天然生活『これまでも、これからも 歳を重ねて楽しむ暮らし vol.2』からの抜粋です
心と体の変化を受け入れながら「いま」を楽しむヒント
いつまでも若々しくいられる秘訣は「いま」を楽しむこと。この本では、歳を重ねるにつれ変化していく心と体を受け入れながら、おおらかに楽しんでいる方々をご紹介。
手塚理美さん、德田民子さん、フジコヘミングさん、広瀬裕子さんなど17人の、暮らしの楽しみ方や工夫、働き方。悩みはつきない、若返る食べ方やレシピ、栄養のこと、お金のこと、大切な思い出や心の整理術などについてもたっぷり掲載しています。
広瀬裕子(ひろせ・ゆうこ)
エッセイスト・設計事務所共同代表。『50歳からはじまる、あたらしい暮らし』『55歳、 大人のまんなか』(ともにPHP研究所)など、年齢と向き合うエッセイや、衣食住をテーマにした著書多数。並行してホテルや店舗などのディレクション、フードアドバイス等にも携わる。
インスタグラム:@yukohirose19