ウールについて考えてみませんか? 私たちの暮らしに身近なウール製品は、どのようにしてつくられているのでしょう。自然との共生を目指すニュージーランドのアウトドアウェアブランド「アイスブレーカー」の取り組みを通じ、持続可能なウールとはなにかを考えます。
(『天然生活』2021年3月号掲載)
(『天然生活』2021年3月号掲載)
サスティナブルなウールができるまで
羊の毛がウール製品になるまでを、アイスブレーカーの場合を例に紹介します。
1 放牧
アイスブレーカーの場合、ひとつの牧場につき約1・6万haの面積の土地で1万5、000頭の羊を放牧するのが一般的。
羊たちは広大な土地でのびのびと自由に行動できます。
2 毛刈り
毛刈りの時季は9〜10月。遠くにいる羊たちを1〜2日がかりで母屋に集めてきて行います。
熟練の職人たちが1頭につきものの数分ほどで毛を刈り、痛みなどはありません。
3 紡績
原毛が中国にある提携の紡績工場に運ばれ、糸がつくられます。
排水処理システムをはじめ、工場内には環境に負荷をかけないための設備が導入されています。
4 染色、縫製、梱包など
つくられた糸はさらに世界各地の工場に送られ、染色、縫製などを経て最終製品になります。
紡績を含むすべての工場で働く人の労働環境が安心・安全であるよう配慮されています。
<取材・文/嶌 陽子 イラスト/みやしたゆみ 写真提供/アイスブレーカー>
幸村大悟(ゆきむら・だいご)
大学卒業後、スポーツアパレルメーカーのゴールドウィンに入社。1999年からアウトドア事業に携わり、2014年からアイスブレーカーの事業運営を行う。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです