谷ヒュンスクさん（たに・ひゅんすく）

韓国出身。フランスでファッションを学んだのち、鞄ブランド「BOTTE」のデザイナーに。現在は「オルネ ド フォイユ」で布ものの企画を担当する。新居の玄関のたたきは、自身でタイルを貼ったのだそう。

チャイ

6歳のオス。茶トラらしくやさしく穏やかで、少々ぼんやりさん。カカオが残したごはんもしっかり食べ、6kgに増量中。いつもヒュンスクさんのあとを追いかける甘えん坊。

カカオ

6歳のオス。警戒心強めのキジトラ気質で「ずる賢いタイプ」。少食ゆえ4kg弱のスレンダー体形で女の子に間違われることも。手づくりのボールでサッカーをするのが好き。

楽しみが広がるインテリアの工夫

谷ヒュンスクさん一家と暮らす、猫のカカオとチャイ。

彼らの習性や好みも配慮した快適に暮らす工夫をご紹介します。

DIYや内装のアイデアは、家づくりのよい参考にも。

猫が景色を見やすいように、窓をたくさん、低い位置に付けた

床近くまである窓をたくさん付けて、猫たちがその日の気分や天気で「好きな窓」を選べるように。

「鳥や虫はもちろん、このあたりは地域猫やタヌキも庭にくるんです。それもいい刺激になっているかも」

滑りやすい床にはラグなどを敷いて

床材は海外のインテリアを参考にマーモリウムを採用。滑りやすさを軽減するために、なるべくラグを敷く。

「モロッコのブジャドはふかふか好きのカカオのお気に入り。ラグを敷けば傷もつきにくいです」

猫のトイレは人目につかない収納の下に

猫たちが落ち着いて排泄できるように、廊下の収納下にトイレを設置。

アーチ形の出入り口と5つ並んだ通気口がかわいいアンティーク風の扉は卓さん作。インテリア性を保ち、猫の快適度もアップ。

傷がつきにくい外壁用の塗料を室内の壁に使用

猫と暮らす人の多くが悩む壁の傷は、外壁用塗料「ジョリパット」で解消。

「耐久性があって傷がつきにくく、温かみのある風合いも気に入って。キッチンなどの一部の壁は、砂を混ぜて質感を変えました」

金網を張った小さなバルコニー

階段横に設けた小さなバルコニーに金網を張り、猫たちが外の世界や風を体感できる場所に。

「鳥がよく見えて声が聞こえるから、すごく楽しいみたいです。気が済むと自分で部屋に戻ってきます」

ゆったりしたリビングからも緑が眺められるように

リビングダイニングのふたつの窓は庭木や空が見える大きさにし、猫の居場所になるよう枠を広めにとった。

「チャイはとくにここが好きですね。スフィンクスみたいな姿勢でじっと日光浴しています」

猫と心地よく暮らすための3カ条

1.話しかける

「おはよう」から始まり、折に触れて名前を呼んでコミュニケーション。

「ちゃんとお返事してくれますよ。鳴き声の違いで、水を変えてほしいんだなとか要求がわかるようになりました」

2.猫の要望に応える

水はこまめに変えていつもきれいな冷水を与え、猫草は切らさないように。健康と快適につながる猫の要望にはなるべく対応。

「おやつのおかわりはキリがないので聞きません」

3.必要なものをDIYで加える

猫をよく観察して、好みに合わせてインテリアやアイテムを変えたり、手を加えたり、その都度DIYを。

「それぞれの個性を見極めて、寄り添ってあげることが大事だと思います」

＜撮影／清水奈緒　取材・文／熊坂麻美＞

※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです