食いしん坊にとってはたまらない!
おいしそうなお菓子がたくさん登場する、コージーミステリ小説
「コージーミステリ」というミステリのジャンルをご存知でしょうか。
“コージー(cozy)=くつろげる”の言葉どおりに暴力的な描写はほとんど登場せず、多くの場合、プロではなく素人探偵が事件と向き合います。
ミステリを軸にしつつも、主人公の日常生活がていねいに描かれていて、お菓子やコーヒー、季節のドリンクなどを楽しむシーンが頻繁に登場します。
あるアメリカのコージーミステリの中で、フルーツケーキにレモンピールを添えたエスプレッソを合わせるシーンが出てきます。
これをまねしてみたらびっくり。フルーツケーキもコーヒーも想像以上に華やかになったのです。
アメリカのふだんの暮らしが垣間見えて、お菓子のあるシーンを夢想したり、ときにはこんなふうに真似して楽しんでみることもできる。
コージーミステリのそういったところも、食いしん坊にとってはたまらない魅力です。
この食べ方は市販のフルーツケーキでもまねできるので、ぜひ試してみてください。
※ 本記事は『アメリカ菓子とミステリ』(原書房)からの抜粋です
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ミステリ小説のなかに登場する伝統的な「アメリカ菓子」。 菓子にまつわる名場面とともに、とっておきのオリジナルレシピを紹介。知ると楽しいアメリカの日常と菓子文化が見えてくる!
ミステリ小説のなかで、素人探偵たちが情報を得るために作るちょっとした美味しい「ワイロ」や、祝祭日を家族で祝うためのお菓子、忙しい事件捜査の合い間に作る日常のお菓子などなど。どうして主人公はこの場面でこのお菓子を作るの? どうしてこんなに短時間で作れるの? そんな疑問を解消しながら、小説のなかに登場する味や日常を楽しく味わえる1冊です。
原 亜樹子(はら・あきこ)
菓子文化研究家。製菓衛生師。アメリカの高校へ留学。東京外国語大学で食をテーマに文化人類学を学んだ後、特許庁へ入庁。後に菓子文化研究家へ転身。『アメリカ菓子とミステリ』(原書房)、『アメリカ菓子図鑑』(誠文堂新光社)、『子どもだけでつくれる 焼かないお菓子』(東京書籍)ほか著書多数。
インスタグラム:@exploring_american_food
ウェブサイト:https://haraakiko.com/