十二月二十二日の日記
十二月二十二日(水)
曇り一時晴れ
六時に起きた。
外はまだまっ暗。海も空も黒い。夜景が瞬いている。
コーヒーをいれて戻ってきたら、空に色がつきはじめていた。
上空は青。いちばん下は灰紫、紫、茜、オレンジ、黄色、クリーム色、白、水色、そして青へと続く。
メモをしておこうと思って、ペンを取りに下りて戻ってきたら、さっきとはもう違う。
色が溶け合いながら、明るくなっていく。
そのあとですべてが乳白色に包まれた。
太陽が出て、また雲にもぐって、もういちど出てきたときに、海に映った。金色の太陽がふたつある!
今日は冬至。一年の間で、光の時間がいちばん短い日だ。
台所の大掃除の続き。今日は棚の方をやる。
お昼ごろ、晴れてきた。
窓を開け、棚の上の器をどけて雑巾がけ。ずいぶん埃がたまっていた。午後には台所の床にワックスも塗った。
三時半に、屋上マラソン二十周。
風がとても強く、ぴーぷーと笛のような音。吹き飛ばされそうだったけど、大きな風にもみくちゃにされながら走るのは、とっても気持ちよかった。
夜ごはんは、ロールキャベツ(明石のおじちゃんのキャベツできのう作った)、オムレツ(トマトソース&チーズ入り)、白菜と春雨のサラダ(ハム、玉ねぎ)、ロールパン。
朱実ちゃん(◆)が送ってくれた小粒の柚子を、お風呂に浮かべて入ってみた。
そういえば今日は、お昼に南瓜を丸ごと蒸して食べたっけ。アム(◇)たちが送ってくれたじゃが芋の箱に、小さな南瓜がふたつ入っていたから。
◆絵描きで絵本作家の友人、山福朱実さん
◇「エゾアムプリン」の友人。北海道富良野市在住
(『空気が静かな色をしている-日々ごはん2021.7→12』より抜粋)
<写真・文/高山なおみ>
高山なおみ
1958年静岡県生まれ。料理家、文筆家。2016年に東京・吉祥寺から神戸・六甲へ移住し、ひとり暮らしをはじめる。本を読み、自然にふれ、人とつながり、深くものごとと向き合いながら、創作活動をしている。『日々ごはん』『帰ってきた 日々ごはん』シリーズ、『暦レシピ』、『新装 野菜だより』、『本と体』、『自炊。何にしようか』、『気ぬけごはん』、『日めくりだより』、『毎日のことこと』、絵本に『どもるどだっく』『たべたあい』『それからそれから』(以上、絵・中野真典)など著書多数。
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毎日食べるごはんのように、今日を味わいながら、この世界を生きていく。神戸に暮らす料理家・文筆家である高山なおみさんの日記エッセイが新装リニューアル! 2016年に神戸へ拠点を移して6度目の夏から冬、2021年7月から12月の日記を収録。