• 一年の始まり、大切な節目にいただくものだからこそ、気負わず、楽しく。「いろいろ用意しなくても、三つ肴とお屠蘇さえあれば、正式なお正月が迎えられる」と話す料理研究家の横山タカ子さんに、“これさえあれば”の祝い肴三種と、焼きもの、煮もののつくり方を教わります。
    (『天然生活』2023年1月号掲載)

    二の重 |焼きもの

    画像: 二の重 |焼きもの

    ひさご玉子のつくり方

    厚焼き玉子を巻きすで巻いて、ひさご(ひょうたん)形に。くびれに結んだ、三つ葉のいろどりが効いています。

    材料(卵5個分)

    ● 卵5個
    ● 酒大さじ2
    ● 砂糖大さじ2
    ● 薄口しょうゆ小さじ1
    ● 塩小さじ1/2
    ● 三つ葉適宜

    つくり方

     ボウルに三つ葉以外のすべての材料を入れ、箸で混ぜ合わせる。

     玉子焼き器を火にかけ、油少々(分量外)を全体になじませる。卵液の1/4量を流し入れ、奥から手前に向かって折りたたみ、奥に移動させる。残りの卵液の1/3量を流し入れ、奥の玉子を持ち上げて、下にも卵液を流し込む。卵液が半熟状になったら、奥から手前に巻く。途中、油を足しながら、これを2回繰り返す。

     をすだれの上に置き、巻く。上から1/3くらいのところに菜箸をはさむようにわたし、輪ゴムで両端を軽く留めて、ひょうたん形をつくり、冷めるまでおいておく。

     冷めたら好みの厚さに切り分け、くびれたところに、軽くゆでた三つ葉を結びつけて、飾る。

    塩豚のつくり方

    そのままいただくほか、アレンジも自在な塩豚。つくっておくと安心な、お正月の食卓の強い味方です。

    材料(つくりやすい分量)

    ● 豚肩ロースかたまり肉400g
    ● 塩大さじ1

    つくり方

     豚肉は全体に塩をすり込み、保存容器に入れて、ひと晩おく。

     天板にオーブン用シートを敷き、の豚肉をのせて、200℃に予熱しておいたオーブンで30分焼く。竹串を刺して、透明な肉汁が出てきたらでき上がり。冷ましてから薄く切り分ける。

    カステラ玉子のつくり方

    材料を混ぜたら、あとはオーブンにおまかせ。口に入れると、ジュワッとおいしさが広がります。

    材料(つくりやすい分量)

    ● 卵黄4個分
    ● 卵1個
    ● 白身魚(たらなど)50g
    ● みりん大さじ1

    つくり方

     材料をすべてブレンダーにかける。なめらかになったら油(分量外)をひいた銅の玉子焼き器に流し入れ、120℃に予熱しておいたオーブンで30分焼く。

     をオーブンから出し、粗熱を取ってから1.5cmの幅のリボン状に切り分ける。くるくると巻き、南天や竹の小枝などを刺して留め、盛りつける。

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    『横山タカ子さんの和のある暮らし』(扶桑社)

    『横山タカ子さんの和のある暮らし』(扶桑社・刊)

    画像: お正月“これさえあれば”の定番おせち「祝い肴三種・焼きもの・煮もの」のつくり方/横山タカ子さん

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    〈料理・スタイリング/横山タカ子 撮影/山浦剛典 取材・文/玉木美企子〉

    横山タカ子(よこやま・たかこ)
    料理研究家。長野県大町市生まれ、長野市在住。長年、保存食を中心とした信州の食文化を研究すべく、各地に赴き取材を重ねる。食材の持ち味を生かした「適塩」の料理や保存食レシピが好評。近著に『横山タカ子さんの和のある暮らし』(扶桑社)。

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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