一年の始まり、大切な節目にいただくものだからこそ、気負わず、楽しく。「いろいろ用意しなくても、三つ肴とお屠蘇さえあれば、正式なお正月が迎えられる」と話す料理研究家の横山タカ子さんに、“これさえあれば”の祝い肴三種と、焼きもの、煮もののつくり方を教わります。
(『天然生活』2023年1月号掲載)
(『天然生活』2023年1月号掲載)
お正月にあるとよいもの
お正月の食卓に、そろえておきたい道具たち。
今年はお屠蘇もぜひ、手づくりを。
酒器、祝い箸、箸置き
ハレの日の酒器には輪島塗の片口と木曽漆器のお猪口を。
楽しい扇子形の祝い箸は、ご近所で剪定された松葉を箸置きに。
「金沢で求めた角偉三郎の片口は、深い朱の存在感が気に入っています。松葉はこの季節に貴重な緑。ひと抱えいただいて、あちこちで役立てます」
お屠蘇(とそ)のスパイス
邪気を払い、無病息災を祈っていただく「お屠蘇」。
粉末の「屠蘇散」も市販されていますが横山さんはスパイスから。
「種類は地域により異なるそうですが、わが家ではこの7種。清潔な瓶に適量入れ、上から日本酒を注いだらガーゼでこしていただきます」
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〈料理・スタイリング/横山タカ子 撮影/山浦剛典 取材・文/玉木美企子〉
横山タカ子(よこやま・たかこ)
料理研究家。長野県大町市生まれ、長野市在住。長年、保存食を中心とした信州の食文化を研究すべく、各地に赴き取材を重ねる。食材の持ち味を生かした「適塩」の料理や保存食レシピが好評。近著に『横山タカ子さんの和のある暮らし』(扶桑社)。
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです