(『天然生活』2018年10月号掲載)
佐伯チズさんが伝えてきた「佐伯式スキンケア」
「いくつになっても、お手入れ次第で肌は変わる」と伝え続けてきた美容家の佐伯チズさん。毎日行うべきことからスペシャルケアまで、基本の「き」を教えてもらいました。
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”頼るのは、化粧品でなく自分の手。かけるのは、お金ではなく時間です”
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さえき・ちず (1943年6月~2020年6月)外資系化粧品会社を定年退職後、世界中の女性をきれいにするため、美肌顔師として〝お金をかけずだれもがきれいになれる〞佐伯式スキンケアを提唱。http://www.saekichizu.com/
夢は「薬」。あきらめは「毒」。始めた人からきれいになれる
取材時は74歳。美容業界に入って55周年を迎えていた佐伯チズさん。これまで一貫して「化粧品は使い方次第」「毎日のローションパック」など、お金をかけずにちょっとした工夫でだれもがきれいになれる、佐伯式スキンケアを世界中に伝えてきました。みずからも同じお手入れを50年以上続けるその肌は、シルクのように柔らかく、曇りのない少女のようです。
「美しくなりたいという願望が強い人ほど高価な化粧品ばかりを使い、目先の効果にとらわれがち。効果が感じられないと化粧品のせいにしてしまう。残念です」
きれいになることに年齢は関係ない
大事なのは、自分の手。きれいになりたいという気持ちを手に届けてお手入れをすれば、肌は確実に変わるといいます。
「頼るのは化粧品ではなく、手。かけるのは、お金ではなく時間。自分自身を鏡で見て嘆く人たちは創意工夫が足りないの。もし、自分の肌を鏡で見て嘆いているならば、それはすべて、あなた自身の責任です。お手入れはトライ&エラー。そのとき、たとえ失敗しても、やればやるだけ肌は確実にこたえてくれることを、わかっていただきたいです」
お手入れは、いたってシンプル。汚れを落とし、水分と栄養を与えるということが基本です。自分の手を信じ、「肌を育てる」という意識でお手入れをしていけば、だれでもきれいになる、と佐伯さん。
「60歳を過ぎたら、少しぐらいシワやシミがあって当たり前。〝いまさら無理〞〝もう年齢だから〞と思う人は、けっしてきれいになれません。若くなることはできなくても、きれいになることに年齢は関係ないの。夢は薬、あきらめは毒。始めた人からきれいになれる、続けた人は幸せになれる。自分の手を信じて、今日から佐伯式スキンケアを始めましょう」
理想の肌とは?
お肌の理想は、うなはたけ
「肌は外と内から磨くもの」という佐伯さん独自の考えをもとに、肌を表皮と真皮に分けて考えます。理想は「うなはたけ」が満たされている肌。お手入れするとき、このバランスを意識して整えていきます。なめらかさとハリは、目に見える「表皮」のケアが、潤い、弾力、血色は、「真皮」のケアが大事になります。「真皮」は植物でいうと根っこの部分。水分や栄養分を含み、膨らむことで「表皮」を持ち上げ、健康的な潤い肌を生み出します。
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潤いのある肌
•水分をしっかり含んでいる
•メイクがきちんとなじんでいる
•しっとりとした柔らかさがある
•乾燥を感じない
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なめらかな肌
•水分と油分のバランスがとれている
•皮膚が柔らかく、きめ細かい
•メイクが長持ちする
•皮脂の分泌が比較的少ない
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ハリのある肌
•水分・油分・栄養がたっぷり
•指で押すとすぐに戻る
•肌にみずみずしさと輝きがある
•シワが少ない
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弾力のある肌
•目元・口元・輪郭がキュッと上がっている
•指で押すと、押し戻す力を感じる
•肌に元気がある
•たるみが少ない
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血色のよい肌
•透明感がある
•バラ色の肌
•新陳代謝が活発である
•ハツラツとした印象を与える
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〈監修/佐伯チズ 取材・文/橋本優香 イラスト/はまだなぎさ〉
佐伯チズ(さえき・ちず)
1943~2020年。外資系化粧品会社を定年退職後、世界中の女性をきれいにするため、美肌顔師として〝お金をかけずだれもがきれいになれる〞佐伯式スキンケアを提唱。『美肌革命』(講談社)ほか、著書多数。http://www.saekichizu.com/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです