(『天然生活』2022年1月号掲載)
工夫
自然から採集し、自分のためにしつらえる
住まいの一間をiaiの衣服の展示に使い、自然のなかから拾い集めたものをしつらいに生かします。
集落を散歩しながら摘んだ野花、川べりで見つけた石、近くの海辺に足を運び拾った流木......、ありのままの美しさにひかれて、手に取ったものばかり。
「子どもが拾ってきたものもありますね。何か拾ったら置き換えたり、古道具と合わせたり、気持ちの向くまま並べて、楽しんでいます」
工夫
布を余すことなく最後まで生かす
使い込んだかごを布の切れ端で修繕すれば、また使えて、いとおしい佇まい。
「服づくりではどうしてもはぎれが出るので、どう生かせるか考えます」
その思いは、iaiの衣服にも。麻の衣服は、古い藍染めのはぎれを裏に縫い合わせ、ニードルパンチを施し、表地に青い点々を浮かび上がらせます。
「パッチワークが定番の活用法ですが、手を動かして、新たな表現を見いだしています」
工夫
子ども服を循環させる
服づくりで余った生地を生かし、子ども服も手づくり。
「大人の服より自由だし、すぐでき上がるのでつくっていて楽しい」と大輝さん。
展示会では購入してくださった方に子ども服を貸し出す試みも。
子どもの服は長く着られないので、共有できればと始めました。
「小さくなって着られなくなったら戻してもらい、ほつれを繕ったり、染め直したりして、また次の借り手へ循環させています」
<撮影/辻本しんこ 取材・文/宮下亜紀>
居相大輝、愛(いあい・たいき、あい)
「iai」主宰。山村で暮らしながら衣服を生み出す。すべて一点もの、めぐり合わせも楽しみ。展示会、オンラインストアにて販売。 http://iaihanaiten.com/ インスタグラム@_____i_a_i/
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです