(『天然生活』2022年1月号掲載)
Tips of Nemuro 根室のかけら
日常の景色
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アトリエ付近を散策しているときの風景。
「根室には、鹿やきつね、たくさんの野鳥が自由に闊歩する原野がありながら、人とともに暮らす馬や牛ものびのびと過ごす自然美が広がっています。道東は人間が自然の対極にあるのではなく、自然の一部として存在するのを気づかせてくれる、美しい土地だと思っています」
出会う食材や生産者の方
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「オホーツク管内・訓子府(くんねっぷ)にある菅野養蜂場は、オホーツクのおいしいものを探しているときに出会いました。100%自家採蜜という貴重なもの。蜂場へ行った際は、はちみつのことやみつばちの役割をていねいに教えてくださいました。日本では北海道でのみ採蜜できる菩提樹(ぼだいじゅ)のはちみつは、ハーブのような芳醇な香り」
自然からの贈り物
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「秋は、熊も大好きな山ぶどうや小桑が実る近くの森へ行きます。森をよく知る猟師と一緒に入り、必要なぶんをいただきます。植物のささやきが聴こえてくるような森での散策は、毎年の楽しみ。こちらで暮らすようになってから、豊かな気持ちになったり、人間の営みとは? と疑問をもったりすることが増えました」
季節の風景
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日本からはるか遠く、シベリア大陸の沖合から風に乗って南下してくるオホーツク海の流氷は、道北の網走を皮切りに、時間をかけて本土最東端の根室にも流れ着きます。
「季節の移ろいやたくましい自然の力を感じる北海道での暮らしのなかから、お菓子のイメージは生まれたりしています」
<撮影/VOSTOK labo 取材・文/遊馬里江>
VOSTOK labo 野﨑敬子さん・中村美也子(ゔぉすとーく・らぼ、のざきけいこ・なかむらみやこ)
アトリエ VOSTOK labo主宰。道東を中心とした食材を使った、お茶の時間に愉しむお菓子を発信中。https://vostoklabo.theshop.jp/、インスタグラム@voxtok_labo
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです