移住事例01 秋山家
ひとめぼれした山のふもとの土地に家を建てる
仕事が多忙で、東京都西部のまちで職住近接のアパート住まいだったという秋山敬二さん、真希さんご夫婦。
ゆくゆくは家を…と考えていたときに、たまたま訪れた住宅展示場で出合ったのがこの家でした。
「ひとめぼれして、すぐに契約してしまいました(笑)」と敬二さん。


敬二さん、真希さん、長男の連多郎くん
この家に合うロケーションは「自然豊かな環境」と考え、ふたりで最適な場所はないかと埼玉県飯能市周辺や東京都多摩地区を見て回ったそうです。
そしてまたまた、ひとめぼれしたのが青梅でした。
「緑の色が違ったんです」と敬二さん。
「みずみずしくて新鮮で。ほかのどこよりも」と真希さんも声を揃えます。
家にいながらも自然を感じられる場所として真希さんが気に入っているのは、格子窓の前。
「朝、薪を運ぶときに朝日を見て、そのあと格子窓の前のイスでゆっくりお茶をするひとときが好きですね」

大好きなアンティークのインテリアで
リビング&ダイニングを彩って
周囲の景観にもしっくりなじむ家の玄関を開けると、重厚な木の質感、そして天井の登り梁が空間に力強さを生み出すリビングが広がります。
南向きの窓から降り注ぐ日差しと、格子から差し込む淡い光がナチュラルな温かみを添えて、時間がゆっくり流れていきます。

織り手の温もりを感じる、鮮やかな配色が印象的な中央アジアの国々のじゅうたん。100年という時を刻み、皮を張り替えて使い続けられたイス
リビングの空間を彩るのは中近東やアジアのインテリア、アンティークのアイテム。
じつは、このテイストにたどり着くまで紆余曲折があったそう。
「当初は、シンプルで上質な木の家具で揃えればいいかな、と思っていましたが、どうもマッチしなかったんです」と敬二さん。
家になじむものを選びたい、と試行錯誤するうちに、もともと真希さんが好きだったトライバルラグ(手織りのじゅうたん)をひいてみたところ、驚くほどしっくりなじんだのだそう。

リビングに続くキッチンも、木目にシックな藍色のタイルがなじんだ、どこか懐かしい、落ち着きのある空間。
こちらもインドの木版更紗「アジュラク」のショールをカーテンにしたアンティークの食器棚や、アジア各地のカゴが穏やかで、心地よい雰囲気を醸し出しています。

ロフトは光がたっぷり差し込む
居心地のよい空間に
吹き抜けに面したロフトは、天窓から光が差し込む居心地のよい空間。
クローゼットとして使っているのは、パキスタンのスワット家具。素朴で力強い手彫り彫刻が印象的です。
春には山桜が満開になる並木道を臨める窓には、インドネシア製のデスクをそなえ、敬二さんの勉強スペースとして使用。

「お気に入りの場所です。遠くに東京スカイツリーも見えるんですよ」と敬二さん
壁にかかっているのは、インドの手描きクロス。
青梅市でインドや中央アジアを中心に伝統的な製法の生地を使ったアイテムを制作している「KANNOTEXTILE」で購入したものです。

「手仕事ならではのゆらぎがあるものが、この家には似合う気がします」と真希さん
家全体をやさしく温める
「薪ストーブ」を設置
この家の大きな存在は「身も心も温まる」とおふたりが語る薪ストーブ。
「子どものころから火を見ているのが好きだったので、どうしても置きたかったんです」と敬二さん。
「正解でした。温かさの質が違います」
真希さんも「足元だけではなく、全体がほわっと温まります。温かさがやさしいですね」と語ります。

古民家のうどん屋さんをリノベする「青梅市わがままライフコンテスト2024」開催
秋山さん、山野さん家族が暮らす青梅市では、遊休地や空き家を活用するリノベーションコンテストを開催します。
今回は、市内にある築90年の古民家で営業中のうどん屋さんを、心地よい人間関係が築ける交流拠点にリノベするアイデアを募集。
「わがままライフ」×「交流拠点」をテーマにしたこのコンテスト。
「青梅でこんな暮らしをしたい」という夢があふれる、さまざまな人と交流できる場所づくりのアイデアを求めています。
年齢や資格などの応募条件はないので、だれでも参加可能。
簡単なスケッチでも応募できるので、ぜひ参加してください。
問い合わせ先
青梅市わがままライフコンテスト事務局
〈撮影/山田耕司 取材・文/池田陽子〉