(『天然生活』2024年3月号掲載)
「眼精疲労」を和らげる4つの習慣
「老眼や疲れ目の元凶は加齢ではなく酸素不足です」そう語るのは、目や体の不調を診る整体院の今野清志院長です。
「目は毛様体という筋肉が収縮と弛緩を繰り返してピントを合わせますが、1日中働くだけに大量の酸素を必要とします。しかし現代人の生活は酸素が不足しがちなうえ、心臓や脳に優先的に供給されるため目は慢性的な酸欠に。すると毛様体が弾力を失い、ピント調整機能が衰えて視力低下や老眼を招くのです」
目の不調を改善するには、呼吸を深め、適度に体を動かして栄養を十分に摂ることが大切です。目だけでなく、体全体の調子を整える意識で生活を見直しましょう。
「眼精疲労」を和らげる習慣1
電車では目を閉じて眼球を動かす

電車やバスの車内はただでさえ酸素不足になりやすい密閉空間。スマートフォンは極力見ないようにしましょう。
画面が発するブルーライトは目の奥の網膜にまでダメージを与え眼精疲労やドライアイを引き起こします。移動中は目を閉じて目と脳をいやす時間に。
目を閉じたまま6秒間ずつ、上、右、下、左に眼球を動かすのを1セットにし、5回繰り返す「眼球体操」を実践してみてください。
目の周囲の血流が改善し、毎日続ければ眼筋が鍛えられて疲れにくい目になっていきます。
時間に余裕があれば、車内広告の大小さまざまな活字を見ることもトレーニングになります。小さい字でもじっと見つづけることで毛様体が鍛えられます。
「眼精疲労」を和らげる習慣2
目の上下をトントン、ブルブル

ドライアイや疲れ目がつらいとき、目の周辺に集中する経絡やツボを刺激して血流を促すことで症状が和らぎます。
人差し指から小指の4本の指の腹で、眉の上を眉間からこめかみに向かって5回ほどリズミカルに叩きます。次に、目の1cmほど下を目頭から目尻に向かって叩きます。
目の周りに集中するツボを満遍なく刺激できるのがこの方法です。
続いて、4本の指の腹を眉の上にあて、上下に揺すりながらこめかみに移動します。そして目の下の骨のきわを左右に揺すります。
肌の下の筋肉も一緒にブルブル揺さぶるように行うことで、より血液やリンパの流れが促進されます。側頭部も同様にほぐすとより効果的です。
「眼精疲労」を和らげる習慣3
湯船には肩までつかって目を閉じる

入浴は疲労回復やリラックスにうってつけ。湯船に肩までつかって全身の血流を促し、数分目を閉じるだけでも眼精疲労が和らぎます。
アロマを活用したり深呼吸をしたりして、ゆったり過ごすことを心がけましょう。
とくに目が疲れている日は、水で濡らして絞った冷たいタオルを3秒ほど目の上にのせて血管を引き締め、次に温めたタオルを目の上にのせ、タオルの熱が冷めるまでそのままにします。
すると、収縮していた血管が広がり、目の周りの血液がスムーズに流れ始めて自律神経の働きも整います。
温かいタオルを目の上にのせたまま、眼球を上下左右に動かしたり、ぐるりと回して思い切り目を見開いたりして、眼筋を鍛えるのもおすすめです。
「眼精疲労」を和らげる習慣4
夕食後は外で新鮮な空気を味わう

良質な睡眠は目の疲労回復に不可欠です。就寝前にたっぷり酸素を補給しておくことで自律神経のバランスが整い、入眠しやすくなります。夕食を食べてひと息ついたら新鮮な空気を吸いに外に出ましょう。
軽く散歩などをしながら深呼吸を繰り返します。走ったり早歩きをすると酸素をたくさん摂取できますが、交感神経が働き眠りにつきにくくなることも。空気をしっかり吸うのが目的なので体を動かしすぎることは避けてください。
外に出られない日は就寝前の運動としてベッドの上で軽いエクササイズを。仰向けになって両足を10cmほど上げ、息を吐きながら脱力して足を戻す。これを10回ほど行うと全身に適度な刺激を与え、呼吸も深まります。
〈監修/今野清志 イラスト/もとき理川 取材・文/熊坂麻美〉
今野清志(こんの・せいし)
中医学をベースにした手技療法で目と耳をいやす施術院「日本リバース」院長。薬を使わず、人間が持つ治癒力を呼び覚ます治療法の確立をライフワークとし、テレビやラジオなどメディア出演も多い。著書に『いつでもどこでも目がよくなる小さな習慣』(だいわ文庫)、『自律神経は1分で整う!』(自由国民社)などがある。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

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