• 薬膳・発酵料理家の山田奈美さんに、冬におすすめの保存食「ゆずのはちみつジャム」のつくり方を教えていただきました。物価の上昇が続くいま、お手ごろ価格かつ栄養価が高い「旬」の食材を使って、元気に乗りきりましょう。

    ゆずの薬膳的効能ついて

    ゆずの皮に含まれる香り成分は、体を温めて血行を促進する作用があります。寒さの厳しい冬至の日にゆず湯に入る風習があるのも、とても理にかなっています。

    また、気をめぐらせる働きがあり、イライラや鬱々しているときなどに気を晴らしてくれます。お腹や胸が張る、のどが詰まった感じがする、というときにもよいでしょう。

    実の部分は、胃腸の働きをよくし、吐き気を抑えたり、胃をすっきりさせて食欲不振に有効です。

    そのほか、種には腸内環境を整えるペクチン、白いワタには抗酸化作用や血流を促進するヘスペリジン、皮には果肉の4倍のビタミンCや2倍のカルシウムが豊富なので、一物全体を余すことなく取り入れられるジャムは栄養面でもおすすめです。

    【保存食】ゆずのはちみつジャムのつくり方

    画像: 【保存食】ゆずのはちみつジャムのつくり方

    ゆずがたわわに実る季節。ポン酢やゆず茶も毎年必ずつくりますが、ジャムも香り高く優雅な味わいでおすすめです。ジャムは果汁、皮、果肉、薄皮、種と余すところなく使えるのも魅力です。

    私がつくるのは砂糖不使用のはちみつジャム。たっぷり使っても、さっぱりと軽やかに食べられます。

    トーストにぬったり、お湯で割ったり、お肉やお魚のグリルの隠し味に使ったりしても相性がいいですよ。

    材料(つくりやすい分量)

    ● ゆず5個
    ● はちみつゆずの重量(皮や果肉などすべて合わせて)の半量

    つくり方

     ゆずは横半分に切って果汁をしぼる。種を取り分けて、お茶パックに入れる。薄皮と皮はできるだけ細いせん切りにする。

    画像: 皮は1/4に切ると、せん切りしやすい。白いワタは使うので取らない

    皮は1/4に切ると、せん切りしやすい。白いワタは使うので取らない

     鍋にゆずの皮を入れ、かぶる程度の水を加えて中火にかける。煮立ったら弱火にして20分ほど、皮が少し透き通るくらいまで煮る。ざるにあげて粗熱をとる。

     の鍋に果汁、薄皮、の皮、はちみつ、種の入ったお茶パックを加えて中火で熱し、沸いたらアクを取り、弱火にする。

     好みのとろみがつくまで15〜20分煮て、種の入ったお茶パックを取り出して冷ます。冷めると固くなるので、ゆるめで火を止める。

     熱いうちに熱湯消毒した瓶に入れ、ふたをして逆さにして冷ます。

    ※冷蔵庫で3カ月、冷凍庫で半年保存可能。
    ※瓶に詰める際、できるだけいっぱいまで詰めると保存性がよくなる。



    〈料理/山田奈美 イラスト/しらいしののこ〉

    山田奈美(やまだ・なみ)
    「東京薬膳研究所」の武鈴子氏に師事。東洋医学や薬膳理論、食養生について学ぶ。神奈川県葉山町のアトリエ「古家1681」にて薬膳の料理教室や発酵食品の教室を開催。季節の食養生を伝える活動を行う。著書に『からだが整う一汁一菜―なじみの食材と調味料でできるおうち薬膳』(主婦と生活社)、『二十四節気を愉しむ 季節の保存食』(マイナビ出版)、『いつもの食材と調味料で 体が整うごはん』(ナツメ社)などがある。



    This article is a sponsored article by
    ''.