• 母の習慣を真似て、旅先で出合ったくだものを現地でジャムにし、旅の余韻を楽しんでいるという菓子研究家加藤里名さん。本記事では、加藤さんの著書『くだものの保存食とお菓子』(主婦と生活社)より、冬の余韻を長く楽しめる保存食「金柑マーマレード」のつくり方を紹介します。

    金柑マーマレードのつくり方

    金柑は、あくを抜く必要がなかったりと、柑橘類の中でも扱いやすいくだものです。

    おいしい皮もいっしょに煮て、マーマレードにしました。

    画像: 金柑マーマレードのつくり方

    材料(つくりやすい分量)

    ● 金柑(水洗いする)400g
    ● グラニュー糖下ゆでした金柑の皮+果肉の重量の60%
    ● レモン果汁15g

    つくり方

     鍋に金柑とたっぷりの水を入れて中火で熱し、沸騰したら中火のまま1~2分ゆで、ざるに上げて水けをきる。鍋に戻し、再びたっぷりの水を加え、同様にあと2回繰り返す。金柑の皮に裂け目が入るようになったらOK。

    画像1: つくり方

    note
    金柑のコンディションによってゆでこぼす回数は異なってきますが、目安としては皮に裂け目が入り始めたらもう大丈夫でしょう。

     金柑のへたを取り、横半分に切って竹串で種を取る。スプーンで薄皮ごと果肉を取り出してみじん切りにし、皮はせん切りにする。皮と果肉の重量を量り、合計重量の60%のグラニュー糖を用意する。

    画像2: つくり方
    画像3: つくり方
    画像4: つくり方

     鍋に金柑の皮、果肉、グラニュー糖、レモン果汁を入れて軽く混ぜ、グラニュー糖が溶けて水分が出るまで常温に30分ほどおく。

    画像5: つくり方

     の鍋をゴムべらで混ぜながら強めの中火で熱し、煮立ったら弱めの中火にする。あくを取りながら、鍋底から大きく混ぜ続けて20分ほど煮る。

     ゆるくとろみがついたらOK。

    画像6: つくり方

    *保存期間

    保存容器は必ず消毒していただきたいのですが、消毒法によって保存期間が変わります。

    アルコール消毒
    消毒法:もっとも簡易的な消毒法です。保存瓶(保存容器)とふたは中性洗剤でよく洗い、ペーパータオルで水けを拭きます。さらに食品用除菌スプレー(またはアルコール度数が35度以上のお酒)を吹きかけ、ペーパータオルで全体に塗り広げるように拭いてください。
    保存期間ジャム、コンポートともに冷蔵で約1週間が目安

    煮沸消毒
    消毒法:大きめの鍋に保存瓶とふたを入れ、たっぷりの水を加えて中火で熱し、沸騰したら弱火で10分ほど加熱します。急激な温度変化で瓶が割れないよう、水の状態から加熱してください。トングや菜箸などで熱湯が手にかからないように注意しながら取り出し、瓶の口を下にして網にのせ、自然乾燥させます。ジャムが熱いうちに瓶へ移し、ふたを閉めたらひっくり返して、そのまま冷まします。
    保存期間ジャムは常温で約1カ月(開封後は冷蔵で約2週間)が目安

    煮沸消毒+脱気
    消毒法:脱気をすると中の空気が抜け、さらに長もちします。煮沸消毒した保存瓶にジャムを詰め、ふたをゆるく閉めます。鍋に入れ、瓶が7割ほど浸るくらいの水を加えて中火で熱し、沸騰したら弱火で15分ほど加熱を。軍手などをして熱いうちに取り出し、しっかりとふたを閉め、逆さまにして冷まします。ふたがぺこんとへこんだら脱気ができた合図。
    保存期間ジャムは常温で約6カ月(開封後は冷蔵で約2週間)が目安

    〈撮影/鈴木静華 スタイリング/駒井京子 文/佐藤友恵〉

    ※ 本記事は『くだものの保存食とお菓子』(主婦と生活社)からの抜粋です。

    『くだものの保存食とお菓子』(加藤里名・著/主婦と生活社・刊)

    画像: 「金柑マーマレード」のつくり方。季節の余韻を長く楽しむ、冬のくだもの保存食/菓子研究家・加藤里名さん

    amazonで見る

    ◆春夏秋冬の「くだものの保存食」と、保存食を使った「お菓子」のレシピ本◆

    世界中で親しまれているジャムやコンポート、マーマレードなどの保存食。

    傷みやすいくだものも、旬が短いくだものも、保存食にすることで季節の余韻を長く楽しめる特別な存在に。

    そんな、くだものの保存食に魅了された加藤里名さんによる、季節のくだものを使った保存食のレシピを紹介します。

    新たなおいしさを味わうことができる、保存食を使ったお菓子のレシピも収録。

    【CONTENTS】
    ● 春
    ・まるごといちごジャム
     └アーモンドケーキ
    ・びわのコンポート
     └びわの型なしタルト など
    ● 夏
    ・桃のコンポート
     └桃のゼリー
    ・完熟梅のジャム
     └完熟梅のソルベ など
    ● 秋
    ・栗の渋皮煮
     └マロンパイ
    ・いちじくのジャム
     └いちじくとラズベリーのマフィン など
    ● 冬
    ・レモンカード
     └レモンカードのブッセ
    ・みかんのコンポート
     └みかんの温白玉 など



    加藤里名(かとう・りな)
    菓子研究家。大学卒業後、会社員として働きながら「イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ」の菓子教室でフランス菓子を学び、退職後に渡仏。パリのLECORDON BLEUの菓子上級コースを修め、その後は人気パティスリー、LAURENT DUCHÊNEにて修業。帰国後の2015年より東京・神楽坂にて「洋菓子教室Sucreries」を主宰し、クッキー缶の通信販売や、百貨店の催事への出店、メディアへのレシピ提供など、幅広く活動中。著書に『パウンドケーキ 無限レシピ』『そのまま食べてもおいしい! ふわふわスポンジ生地のお菓子』『あれもこれも作れる! パウンド型のいちばんおいしいお菓子たち』『ナンバーケーキ』(すべて主婦と生活社)、『はじめてのクッキー缶』(家の光協会)、『レモンのお菓子づくり』(誠文堂新光社)など。



    This article is a sponsored article by
    ''.