(『天然生活』2021年1月号掲載)
祖父と母から。繰り返し聞いた私の‟お守り”
祖父から
石の上にも三年
‟石の上にも三年”。だれでも一度は耳にしたことのある言葉ですが、石村さんも然り。
子どものころ、おじいさまが独特の節をつけて、歌うように繰り返し聞かせてくれたのだといいます。
「新しいことに取り組む際や、難しい局面に対峙するときなど、祖父が歌うように伝えてくれたこの言葉が自然と聞こえてきます。
‟まずは3年、がんばろう!”とパワーをもらっています。私のお守り的な存在です。
とくに昔から伝えつづけられてきた言葉には、絶対に間違いない、と思わせてくれる安心感がありますね」
母から
よいものを使いなさい、少し高くてもね
もうひとつの言葉は、忙しく働いていたお母さまがよく言っていたというもの。
「幼少期から大人になるまで、何度となく母が口にしていた言葉です。
‟よいもの”の基準は人それぞれ違って当たり前ですが、‟よいもの”ってなんだろうという興味が、この言葉のおかげでずっと自分の中にあるのだと思います」
石村さんの生き方そのものともいえる、ものとの向き合い方。
その大切さを、この言葉が教えてくれたのだといいます。
〈撮影/伊藤 信 取材・文/結城歩〉
石村由起子(いしむら・ゆきこ)
空間コーディネーター。1984年に奈良市でカフェと雑貨の店「くるみの木」をスタート。心地よい空間と確かなもの選びにファン多数。その経験を生かして、県内外のショップなどのプロデュースや運営も行う。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです

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