• 言葉は目には見えないからこそ、かけがえのないもの。ファッションコーディネーターの德田民子さんに、人生の支えとなった唯一無二の大切な言葉を教えてもらいました。
    (『天然生活』2021年1月号掲載)

    自由にのびのびと。そう、暮らしもフリーハンドで

    元文化服装学院学院長・小池千枝さんから

    2014年に98歳で亡くなられた元文化服装学院の学院長の小池千枝さん。

    昭和43年に德田民子さんが服装学院のデザイン科に進学した際の担任だったといいます。

    「はじめて立体裁断の授業を受けたときのことでした。

    私は1mmの狂いもないようにと数式にのっとって真剣にカーブを描いていたんです。

    そこに小池先生が現れて、こうおっしゃったのです」

    フリーハンドで、自分の思うように一気に描きなさい

    その言葉を聞いて、張り詰めていた気持ちが解き放たれたという德田さん。

    服づくりが一気に楽しくなったといいます。

    自分にとって心地よいラインは数式だけではないと気づいたら、自分なりのアイデアが素直に出せるようになったのです。

    この言葉は、その後もずっと何気ない日常の暮らしのなかでも浸透してきました。

    日々、自分の声に耳を傾け、自然体でいようという心がけにつながっています

    現在、夫の裕二さんとともに移住先の長野県で暮らす德田さん。四季折々、手を動かす喜びを満喫しています。

    暮らしも自由にのびのびと、まさにフリーハンドでデザインするように楽しんでいます。


    〈取材・文/結城歩〉

    德田民子(とくだ・たみこ)
    『装苑』などの雑誌編集長を務める。2008年にフリーのファッションコーディネーターとなり、翌年より長野・安曇野で暮らす。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



    This article is a sponsored article by
    ''.