• スウェーデンでは「フィーカ」と呼ばれるお茶時間。グラフィックデザイナーでサルビア主宰のセキユリヲさんのフィーカにおじゃましました。スウェーデンの工芸学校への留学経験もあるセキさん。当時は、クラスメートとのゆるやかなお茶時間を大事にしていたそう。
    (『天然生活』2022年6月号掲載)

    頭も心もほぐす、1日2回の大切な“ひと息”つく時間

    「フィーカー!」

    過去にスウェーデンの工芸学校に留学していた、セキユリヲさん。

    午前10時と午後3時の一日2回、工房に必ず響く、冒頭のお茶へのお誘いの言葉を、いま懐かしく思い出していました。

    画像: 北欧のマグカップに、民藝のポットとお皿が不思議とよく合う。カットボードは夫で家具デザイナーの清水徹さん作。ダージリンティーをたっぷり注いで

    北欧のマグカップに、民藝のポットとお皿が不思議とよく合う。カットボードは夫で家具デザイナーの清水徹さん作。ダージリンティーをたっぷり注いで

    フィーカ(fika)とは、日本でいうところのお茶とおやつの時間。

    主にコーヒーと甘いものをいただきながら、30分ほどみんなでのんびり過ごすひとときです。

    なんて豊かな時間だろうと思う一方、作品づくりに没頭したいときもあるはず。

    つい「それは参加必須ですか?」と聞くと、「ふふ、日本人にありがちな反応です。参加しないクラスメートはいなかった記憶ですが、それはただ休憩するのではなく、互いの作品について意見を交わしたりもする、大事な時間でもあったからだと思うのです」と、教えてくれました。

    「あなたの作品はいまどんな感じ? うまく進んでいる?」

    そんなふうにコミュニケーションを深めながらひと息つけば、張り詰めていた頭も心もおのずとほぐれ、新しいアイデアがわくことだってきっとある。

    ゆえにスウェーデンでは、大企業でもその時間が明確に設けられていたり、専用の部屋もあったりするほど、フィーカは大切にされているのです。



    〈撮影/前田 景 取材・文/遊馬里江〉

    セキユリヲ(せき・ゆりを)
    古きよき日本の伝統文化に学びながら生活雑貨づくりをする「サルビア」主宰。自然の美しさを表現したパターンデザインをはじめ、雑誌や書籍、プロダクトデザインの仕事多数。「北の住まい設計社」の渡邊雅美さんらとともに「Higashikawa くらしの編集室」の活動もスタートした。
    インスタグラム@salvia_official

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



    This article is a sponsored article by
    ''.