(『天然生活』2022年6月号掲載)
長年つくり続けてきたお菓子を家族一緒にわいわいと
「いまは子どももいて、平日は仕事ややりたいことで手いっぱい。けれど、休日は長女と一緒にお菓子をつくったりして、お茶の時間を楽しんでいますよ」
夫妻は紅茶を、子どもは牛乳を。
まんなかによく並ぶのは、セキさんが20歳ごろからつくり続けてきたりんごのケーキです。
「北海道は乳製品がおいしいのでバターを使うことが多いですが、なたね油にしたり、レーズンやスパイスを加えてみたり」

セキさん十八番のりんごのケーキは、外はサクッと香ばしく、中はほろりと崩れる生地にりんごがぎっしり。この日はくるみとシナモンも加えた

気分で配合や型を替えて楽しんできたりんごのケーキは、現地でもつくっていた。「カルダモンを加えるとスウェーデンらしい味になりますよ」
とはいえ、子どもはおなかが満たされればすぐに遊びたい。
ゆっくり語らい合う、というスウェーデンで過ごしたような時間は、まだまだお預けです。
あわただしくも愉快に家族と過ごす、あっという間のお茶時間。
そんなフィーカが、セキさんのいまの気分です。

お茶時間を楽しむアイテム
木のカットボード
「お菓子やパンのほか、おにぎりを載せるのにも」
右2枚は、清水徹さん作。左は清水さんと家具づくりを行う職人、遠藤覚さん作。
〈撮影/前田 景 取材・文/遊馬里江〉
セキユリヲ(せき・ゆりを)
古きよき日本の伝統文化に学びながら生活雑貨づくりをする「サルビア」主宰。自然の美しさを表現したパターンデザインをはじめ、雑誌や書籍、プロダクトデザインの仕事多数。「北の住まい設計社」の渡邊雅美さんらとともに「Higashikawa くらしの編集室」の活動もスタートした。
インスタグラム@salvia_official
※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです