春の野草
みつば
栽培ものとは全然違う力強い香り。薬味として使うだけではもったいない、汁ものや和えものに

野生のみつばは市場に出ている水耕栽培ものとはまったく別物で、とてもいい香りがして味が濃く、歯ごたえもシャキッとしています。
一般には吸いものや丼ものくらいにしか使われていませんが、アク抜きして海藻と合わせて和えものにすると絶品です。
森の入り口や日陰の湿った場所に群生しているので、たっぷり摘んで春の香りを楽しみましょう。
毒草のきつねのぼたんが混在していることが多いので、形状でわからないときは1本摘むごとに香りを確かめること。
出始めは柔らかくてアクも少ないですが、大きくなると茎がかたくなってアクも強くなるので、和えものには上のほうだけを使い、アク抜きも醤油洗いまでしてください。汁ものには若い葉を。

「みつば入りわかめスープ」のつくり方

うまい! と思わずうなる味

材料(4人分)
● みつば | 15g |
● 塩蔵わかめ | 90g |
● 生姜 | 17g |
● 胡麻油(炒める用) | 大さじ1 |
● 昆布だし | 5カップ |
● 煮醤油 | |
・ 醤油 | 大さじ3 |
・ 薄口醤油 | 大さじ3 |
● 塩 | 少々 |
● 胡麻油(仕上げ用) | 小さじ1 |
つくり方
1 塩蔵わかめは2回洗って塩を落としてから水に浸けてもどし、長さ2cmにザクザク切って水気をきる。
2 みつばは生のままザク切りにし、生姜は皮つきのまません切りにする。
3 鍋(あれば炒められる土鍋)を中火にかけて熱し、胡麻油(炒める用)を回し入れて1のわかめを入れ、少し炒める。ここに2の生姜を入れ、塩少々(分量外)をふってサッと炒める。
4 3にアツアツの昆布だしを加えて煮る。

5 小鍋(あれば片手の土鍋)に醤油と薄口醤油を入れて煮立てる(煮醤油にして、陽性にする)。

6 4が煮立ったところに、5の煮醤油を入れる。

7 6に塩を加えて再度煮立ったところに2のみつばを加え、火を止めて胡麻油(仕上げ用)を回し入れ、ひと混ぜして仕上げる。

本記事は『若杉ばあちゃんの野草料理&まこもたけレシピ全90品』(PARCO出版)からの抜粋です
* * *
今こそ伝えたい、昔からの野草の知恵
老廃物がたまった体に、野草やまこもたけのデトックス力が注目されています。長いあいだ野草料理を指導してきた若杉ばあちゃんこと若杉友子さんは、安心して使える野菜が少なくなっているという観点から野草をすすめています。農薬も化学肥料も有機肥料も使うことなく、野菜よりずっとパワフルな食物になりえるのだとか。また災害時や食糧難の際に、食べられる野草を知っておくのも大切なことといえます。
若杉さんが野草と同じぐらい熱心に広めてきたのが「まこもたけ」。まこもたけは水辺で育つイネ科の植物「まこも」の茎が肥大化したもの。収穫期の9~10月に食べておくとデトックスができ、翌年の体調が全然違う、と若杉さんは語ります。この本では、野草の摘み方、掃除法と洗い方、アク抜き法、料理、お茶までを網羅した決定版。まこもたけのとっておきレシピ10品も紹介します。
〈撮影/畑中美亜子〉

若杉友子(わかすぎ・ともこ)
1937 年大分県生まれ。静岡市で川の汚れを減らす石けん運動などを行うなかで、自然の野草の力に着目。食養を世に広めた桜沢如一の教えを学び、1989 年、「命と暮らしを考える店・若杉」をオープン。1995 年、自給自足の生活を実践すべく、京都府綾部市に移住。陰陽の考え方にもとづいた野草料理と、日本の気候風土に根ざした知恵を伝え続けてきた。著書に『今日も明日も身軽な暮らし』(すばる舎)、『若杉ばあちゃんの食養相談室』『若杉ばあちゃんの伝えたい食養料理』『若杉ばあちゃんのよもぎの力』(すべてPARCO 出版)などがある。

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