• 1年の節目を祝う行事には奥深い意味があります。「室礼三千」の山本三千子さんに、雛祭の室礼を教えていただきました。日本各地に伝わる伝統工芸品を飾ることで、先人たちが雛祭に込めた思いが感じられる室礼です。
    (『天然生活』2022年4月号掲載)

    日本各地に伝わる雛祭の風習を倣って

    室礼(しつらい)とは、お正月や雛祭などの年中行事の際に、ものに思いを込めて祈る、日本の美しい暮らしの文化のこと。

    室礼の教室「室礼三千(しつらいさんぜん)」を主宰する山本三千子さんに雛祭の室礼を見せていただきました。

    子どもの無病息災を願い、雛人形を川や海に流す「流し雛(ながしびな)」や、鹿児島に伝わる伝統工芸品である「薩摩糸雛(さつまいとびな)」など、日本の美しい手仕事を集めた雛祭の室礼です。


    * * *

    ▼室礼のお話はこちら

    雛祭の室礼
    美しい手仕事が先人の思いをつなぐ

    画像: 雛祭の室礼 美しい手仕事が先人の思いをつなぐ

    古くから日本各地に伝わる工芸品を盛った室礼です。

    和紙で丸い毬をつくる、稲わらで桟俵(さんだわら・米俵の両端のふた)を編む、布ではまぐりをくるむなど、昔から続く手仕事を通して、先人たちが雛祭に込めた思いを体得できます。

    材料

    流し雛(奥)、薩摩糸雛(手前左)、毬、飾りはまぐり、桟俵、長板

    画像: 桟俵に流し雛や人形などをのせて川に流す風習は各地に伝わっている

    桟俵に流し雛や人形などをのせて川に流す風習は各地に伝わっている


    〈撮影/萬田康文 取材・文/野上郁子 協力/shitsurai.japon〉

    山本三千子(やまもと・みちこ)
    夫の死に直面した際、年中行事で心が救われたことを機に、南宋瓶華四世・田川松雨氏に師事し、室礼を学ぶ。「室礼三千」主宰。著書に『室礼おりおり』(NHK出版)、『暮らしの室礼十二か月』(淡交社)など。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



    This article is a sponsored article by
    ''.