• 現在70代の生活評論家・沖 幸子さん。2024年に京都にも住む場所をもちました。京都に暮らして、歩いてわかった、京都の楽しみを綴るエッセイ。今回は、静かな京都を楽しむ、朝の「常寂光寺」散策のお話。

    京都は混雑が緩和された夕方着で

    2月〇日

    昨夕、京都に着いた。

    寒い京都は苦手、むしろ暖かい海辺の温泉でほっこりしたいと、1月は2日ほど海部屋(熱海)へ出かけたが、身体だけではなく、やはり心も癒されたいと、急に京都行きを思いつく。

    翌朝、早起きして、いつもの人参スムージーを作って飲む。

    画像: 京都は混雑が緩和された夕方着で

    東京の自宅でも京都でも、どこに居ても朝の習慣は変わらない。年を重ねると、食べ物も生活習慣もあまり変わらないほうが安心して暮らせる。

    とはいえ、決めつけず、気の向くまま、プチ自由に考えるほうが体によさそう。

    朝の静かな「常寂光寺」で深呼吸

    好きな観光名所、例えば、常寂光寺など嵐山界隈へ出かけるときは、少し早起きして歩き回る。

    画像: 常寂光寺

    常寂光寺

    そして、アリのようにぞろぞろと出陣する多くの観光客を尻目に、朝9時過ぎには河原町のデパ地下で、“美味しいもん”を買ってブラブラ帰路に着く。

    寒さを苦にしなければ、早朝は、“あふれるような観光客”は、まだ!眠っているので、どこも静か、澄んだ空気の冷たさが身体の奥深く浸みこんで気持ちいい。

    常寂光寺は秋の紅葉も見事だが、初夏の青紅葉も風情があり、早朝の梅雨時は、さらに雨に濡れた楓の葉の青さがみずみずしく映え、心もしっとりと洗われる気がする。

    そういえば、昨年6月、しきりにカメラのシャッターを切っていた男性も、聞くと京都人。“常寂光寺は、早朝の青紅葉が最高ですよ”と教えてくれた。

    画像: 常寂光寺の青紅葉

    常寂光寺の青紅葉

    さすが、地元の人は、時と場所の見どころのツボを心得ている。

    東京は明治神宮、京都は平安神宮。

    画像: 早朝の平安神宮

    早朝の平安神宮

    いずれも住まいと至近距離、歩いて3分以内のお隣さん。よほど神社に縁があるのね、と友人たちに笑われた。が、東京も京都もたまたま選んだ住まいが、神社が近かっただけ。

    こどものころは、故郷の兵庫県広峰山が父との散歩コースだったし。登り終えた頂には、由緒正しい広峰神社が待っている。

    特別に信仰心が深いわけではないが、このような偶然は、年を重ねた今、自分でも不思議なご縁を感じてしまう。



    沖 幸子(おき・さちこ)
    兵庫県生まれ。生活経済評論家。家事サポートサービス「フラオ グルッペ」代表。大学客員教授(起業論)や経済産業省、厚生労働省などの政府審議会委員も務める。神戸大学卒業後、ANA、洗剤メーカーを経て、ドイツ、イギリス、オランダで生活マーケティングを学び、グローバルな視点を持つ暮らしのデザイナー・女性起業家として、メディアで活躍。「掃除界のカリスマ」として知られ、家事や暮らしが楽しくなる数々のエッセイや評論を執筆している。著書は、『初めての“老い”を上手に生きる』(笠間書院)のほか、『ドイツ流 掃除の賢人』(光文社)、『50過ぎたら、ものは引き算、心は足し算』『70過ぎたら あるがまま、上手に暮らす』(ともに祥伝社)など、多数。
    http://www.ask-sachiko.com/

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