• 春は心身ともに揺れ動きがちな季節。冬にため込んだものをスムーズに出して、新しい季節を軽やかに過ごしましょう。自然療法の力で体質が改善したという植物療法士の鈴木七重さんに、体をゆるめることの大切さを教えていただきました。
    (『天然生活』2024年4月号掲載)

    自律神経を整えて、自己治癒力を回復する

    かつてはひどい花粉症で、「春は地獄の季節でした」と振り返る鈴木七重さん。

    ハーブや精油などを使った自然療法に出合って20年以上、すっかり体質改善されて、今では「春だから」と恐れることもなくなりました。

    画像: 日々の生活にハーブティーが欠かせないという、鈴木七重さん

    日々の生活にハーブティーが欠かせないという、鈴木七重さん

    「そうはいいつつも、春はやっぱり揺らぎやすい季節ですよね。

    寒い時季が3カ月も続いて、冷えがたまって運動不足でカチコチで。

    講座に参加される生徒さんたちもみんな『冬バテ』のような状態になっています。

    まずは体をゆるめて、めぐりをよくして、自律神経がしっかり働くようにするベースづくり。

    それを行うことで、冬にため込んだ老廃物などをスムーズに外に出せると考えています」

    ハーブや精油は、体をゆるめるのが得意

    世の中には自律神経を整える健康法がたくさんありますが、七重さんがとりわけ重視するのが「ゆるめる」ケアです。

    常に大量の情報に囲まれ、アクセルを踏みっぱなしのような現代の生活は、緊張過多でリラックスできていない人がとても多いのです。

    自律神経のうち交感神経(アクセル)ばかりが優位になり、副交感神経(ブレーキ)への切り替わりがうまくできず、結果的に「何だかいつも疲れている」状態に。

    これでは春を快適に過ごすのも難しいのです。

    画像: この日のお茶は、庭で採れたレモンバームとペパーミントに、ドライのリンデンをブレンド

    この日のお茶は、庭で採れたレモンバームとペパーミントに、ドライのリンデンをブレンド

    「私の講座では『ゆるめるケア』のことを『ゆる活』なんて呼んでいますが、これはハーブや精油の得意分野なんです」

    仕事の休憩時や夜にリラックス効果の高いハーブティーを飲んでほっとひと息ついたり、鎮静効果のある精油で蒸しタオルや蒸気吸入を行ったり。

    深いリラックスを体感し、真の意味での休息を取ることができれば、体は弾力を取り戻し、また生き生きとした活動に戻ることができるのです。

    画像: アロマ蒸しタオルは、血行がよくなるとともに、精油の香りで呼吸も自然と深まる

    アロマ蒸しタオルは、血行がよくなるとともに、精油の香りで呼吸も自然と深まる

    「体をよく見て、観察することが習慣になると、自分の体もまた、大きな自然の一部であることに気づいていけると思います。

    そして『私』のなかにも、季節の移り変わりや朝・昼・夜といった自然と同じような流れや循環をつくり出していく。

    それさえ上手にできれば、自然に健やかになっていけるんですよね。

    そしてそういうフロー(流れ)をつくるときに、植物は大きな力を与えてくれる、この上ない心強い存在です」

    画像: 家の中で一緒に暮らす、愛猫のリュウ。いつでもリラックス、あるがままに自然に暮らす様子は、ゆるむ生活のお手本のよう

    家の中で一緒に暮らす、愛猫のリュウ。いつでもリラックス、あるがままに自然に暮らす様子は、ゆるむ生活のお手本のよう


    〈撮影/山川修一 取材・文/田中のり子〉

    鈴木七重(すずき・ななえ)
    武蔵野美術大学卒業後、企画デザインの仕事を経て、自身の不調改善のために自然療法を取り入れる。2009年より講師の活動を開始し、2013年より「∴chimugusui」をスタート。植物療法のオンライン講座を行うほか、オリジナルプロダクトの販売も。著書『ゆるめる・温める・巡らせる』『私を整える。』(ともにエクスナレッジ)が好評発売中。

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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