椅子を長く楽しむために。模様替えや修理についても聞きました
笠原 ダイニングチェアで模様変えを楽しむのに、いい方法はありますか?
森 リビングに移動させ足元にフットスツールを置き、ラウンジチェアのように使うのはどうでしょう。また、玄関先に置いて、荷物の一時置き場に使っても。お部屋の印象がガラリと変わりますよ。ちょっとした変化をつけるなら、シートクッションを使うのも手です。

椅子によっては、専用のシートクッションを用意。写真はファブリックとレザータイプ
笠原 今後ダイニングチェアを増やしたり、買い替えを考えています。同じデザインでそろえたほうがいいですか?
森 違和感を楽しむ時代でもあるので、デザインの違う椅子を組み合わせるのも素敵だと思います。その日の気分で座る椅子を変えるといった楽しみ方もできますし。ウッドの椅子のなかに、カラーの椅子を1脚置くとモダンな印象になっておすすめです。
ほかの椅子と組み合わせるときは、“好きか”“使いやすいか”を基準に、自分の気持ちに正直に選ぶといいと思います。そうすれば、椅子同士が自然と馴染むはずです。
笠原 お店では、どんな修理サービスを受けられますか?
森 Yチェアに関しては、有償でペーパーコード張替やパーツ交換などの修理を承っています。普通に使用していて壊れることはありませんが、傷がついたりしてパーツ交換を希望される方がいます。

体へのなじみのよさ、編み目の美しさが人気のペーパーコードの座面。張り替えの目安は10年ほどですが、使用状況や好みで変わります
修理相談窓口が日本にあり、オンラインで気軽に申し込みができて、日本語でのやり取りが可能です。国内で張り替え修理ができるのも喜ばれていますね。
“北欧”と“日本”の暮らしの違い、共通点とは?

笠原 北欧ならではのダイニングチェアとのつき合い方は、ありますか?
森 冬が長いこともあり、家に人を招いて食卓を囲む、そんな文化を大切にするのが、北欧の人々です。ダイニングで過ごす時間が長い分、ダイニングチェアは特別な存在だと思いますね。招いた客に、家の家具を紹介したりするのは、日本との違いかもしれません。
デンマークの都会の家やマンションでいうと、実は、居住空間の広さは日本とあまり変わらなくて。だから、ダイニングのスタイルは似ているところがあります。だからこそ、北欧家具は、日本の家に馴染みがいいのかもしれません。
笠原 本日はいろいろと教えていただき、ありがとうございました。これからは、自信をもって椅子選びができそうです!

色褪せることのない美しいデザインが、世代を超えて愛されるYチェア
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「カール・ハンセン&サン」では、木と真剣に向き合い、製品のほとんどに、サステナビリティに配慮するFSC認証の森の木材を利用しているそう。また、端材を暖房の燃料にしたり、商品につくり替えたりと、資源の再利用にも力を入れています。
そんなブランドの真摯な姿勢が、家具を使う人に共鳴し、「大切に使って、次の世代に引き継ぎたい」、そんな想いを自然と引き出しているよう。
つくり手の強い想いが詰まった家具なら、ますます愛着がわきそうです。

カラーは、左からclay(粘土)、hollyhock(立葵)、barley(大麦)
編集部の気になるアイテム
CH24 Soft(全9色)
ハンス J. ウェグナーがデザインした名作椅子、CH24(Yチェア)に、マットなカラーを施したもの。自然からインスピレーションを得たというカラー全9色は、デザイナーのイルス・クロフォードがていねいに選びとりました。
「やわらかでナチュラルな色味が素敵! 『木のものにカラーを混ぜると、モダンな雰囲気が出ます』という森さんの言葉に、刺激を受けました」(笠原)
カール・ハンセン&サン 東京本店
TEL:03-6455-5522
営業時間:11:00~19:00
無休(年末年始を除く) ※臨時休業はSNSにてお知らせしています
東京都港区北青山3-5-12 JRE青山クリスタルビル1F
インスタグラム:@carlhansenandsonjapan
https://www.carlhansen.com/
〈撮影/星 亘 取材・文/諸根文奈〉
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