大庭英子さんの、すっきり暮らす工夫
料理家の大庭英子さんの1日は、しっかり朝食をとることから始まります。定番はパン。
「冷蔵庫の中のおかずと、あとはヨーグルトと手つくりのジャムやフルーツ。昔からこんな感じ。だから迷わないし、朝食を抜くことはないですね」

大庭さんの朝ごはん。パンに手作りのジャムやクリームチーズをたっぷりつけて食べるのが好き
昼は麺類、夜は冷蔵庫を確かめて食べたいものを。その潔い考え方は、料理家として40年以上にわたって伝えてきたシンプルな家庭料理のように、ずっと変わっていません。
ですが、寄る年波、体の変化を感じ始め、60歳を過ぎた頃から暮らしのサイズを見直すようになったそう。
「一度に何品もつくらなくなりましたし、ガス台を3口から2口に変えました。仕事柄、鍋はたくさん持っていますが、自分の食事は深さのある小さめのフライパンひとつで済ませるようになりました」

一度につくる品数も少なくなり、「コンロは2口で充分」と大庭さん。10年ほど前に3口から2口コンロに交換した
サイズが小さくなることで、手間も少なくなったと大庭さん。
フライパンひとつ、鍋ひとつで料理を考えることで、自ずと手数も、洗い物も減るのです。

定番はフィスラーのステンレス鍋。ホーローのように重すぎず、でも安定感があるので安心で使いやすい

炒め物も煮物も揚げ物もこれひとつで。直径20cmで深さのある、フッ素樹脂加工されたフライパンが便利
台所道具は使いやすさ優先
ハギレ布巾

油汚れなどを拭いて捨てられるように、着古した衣類をハギレ布巾に。
キッチンクロスはロングセラーのものを。
デジタルタイマー

火の消し忘れを防ぐためにも欠かせない。デジタル文字で一目瞭然。
マグネット式なのでレンジフードにつけて。
ガラス製のメジャーカップ

年々、目が悪くなり、ステンレス製だとメモリ見えづらくなるように。
ガラス製は清潔感もあり重宝している。
基本調味料+ゆずこしょう

料理は「さ・し・す・せ・そ」と酒&こしょうでつくれるものを考える。
味変の定番は佐賀県のゆずこしょう。
本記事は、別冊天然生活『歳を重ねて楽しむ暮らしvol.3』からの抜粋です。
<撮影/近藤沙菜>
大庭英子(おおば・えいこ)
福岡県出身。料理家としてキャリア45年。同郷の料理家・久松育子さんのアシスタントを経て独立。TVCM、雑誌、書籍、企業のメニュー開発などさまざまな分野で活躍。身近な調味料を使ってつくる、食べ飽きない家庭料理に定評がある。近著に『70歳ひとり暮らしの気楽なごはん』(主婦の友社)
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