• 料理研究家・大庭英子さんが大切にするのは、無理なく続けられる食の習慣。1日で栄養バランスを完璧に整えようとするのではなく、1週間単位でおおらかに考えることが大切だといいます。素材を使い切る工夫や、保存の知恵を活かしながら、シンプルでおいしい食事を楽しむこと。そうした習慣が、元気でおいしい毎日を支えてくれるのです。

    無理なく、おいしく。大庭英子さんの食の習慣

    長く元気でいるために栄養バランスは大切なことですが、大庭さんは1週間のサイクルでおおらかに考えます。

    ひとつの料理に何品目も使うことは、素材を中途半端に残すことにもつながるから。

    「いまは一種類の野菜で一品つくることが多いですね。にんじん一本使い切れるきんぴらとか、レンコンのグリルとか。とくに根菜は日持ちするので好んで買います。さまざまな素材を合わせようと思うと、切り方が変わるし手間が増える。一野菜で一品と肉や卵入りのスープをプラスすれば十分。暮らしがコンパクトになる世代にとって、1日30品目なんて難しいこと。1週間でバランスがとれてればいいって思うようになりましたね」

    大切なことは、「おいしく」「食べたい」という気持ち。

    「おいしさ」の中には味はもちろん、体と心においしいことも含まれます。

    「少量しか食べないのだから、いい素材を買ったっていい。そうすれば塩こしょうで充分おいしいんです。やっぱり自分でつくったほうが、添加物が入っていないし体にもいいんですよね。ごはんを食べられるって何よりも喜び。それを続けるには、まず元気じゃなきゃ」

    70歳を迎えたいまも元気な大庭さんの笑顔がそのことを証明しています。

    思い立ったらサッとつくれる保存の知恵

    肉は100g単位で冷凍

    画像: 肉は100g単位で冷凍

    ひき肉もバラ肉も、買ったら1人分の100gに小分けして冷凍庫へ。

    計量する手間も省け、サッと調理に回せる。

    ゆで豚は味噌漬けで冷蔵保存

    画像: ゆで豚は味噌漬けで冷蔵保存

    豚の塊肉はゆでて味噌につけておけば日持ちし、すぐに一品に。

    切ってハムとして食べたり、軽くグリルしたり。

    きのこ、もやしは冷凍庫へ直行

    画像: きのこ、もやしは冷凍庫へ直行

    日持ちが短いので、袋のまま冷凍庫へ。

    「きのこ類は冷凍した方が旨味が増しますし、凍ったままサッと使える」

    トマトは丸ごと冷凍

    画像: トマトは丸ごと冷凍

    数個セットで買ったトマトは、その日は生で食べ、残りは冷凍に。

    冷凍することでソースなどにしやすくなる。

    油揚げは冷凍が便利

    画像: 油揚げは冷凍が便利

    油揚げは冷凍しても食感が変わらないので冷凍室で保存。

    刻んで味噌汁の具にしたり、焼いておかずにしたり。

    煮豆は冷凍しておかずにおやつに

    画像: 煮豆は冷凍しておかずにおやつに

    豆類を煮るのが好き。一度にたくさん煮て、小分けして冷凍庫へ。

    箸休めのおかずにも、甘煮ならスイーツにも。

    本記事は、別冊天然生活『歳を重ねて楽しむ暮らしvol.3』からの抜粋です。



    <撮影/近藤沙菜>

    大庭英子(おおば・えいこ)
    福岡県出身。料理家としてキャリア45年。同郷の料理家・久松育子さんのアシスタントを経て独立。TVCM、雑誌、書籍、企業のメニュー開発などさまざまな分野で活躍。身近な調味料を使ってつくる、食べ飽きない家庭料理に定評がある。近著に『70歳ひとり暮らしの気楽なごはん』(主婦の友社)

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    別冊天然生活『歳を重ねて楽しむ暮らしvol.3』(扶桑社ムック)

    別冊天然生活『歳を重ねて楽しむ暮らしvol.3』(扶桑社ムック)

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