ほめ言葉は、カジュアルなほど効果的
また、娘には日常的に「かわいい」という言葉を浴びせるように伝えています。
わたし自身は親からそう言ってもらいながら育ったわけではありませんでしたが、誰か一人でも、自分のことを「かわいい」「カッコいい」と毎日のように言葉にして伝えてきてくれたなら、その自信によって人は堂々としていられると思うのです。
そして、毎日のように「かわいい」と言葉をかけられるのは、他でもない親ではないか、とも。
実践している立場から言えるのは、「あなたのことが誰よりも大切」「愛している」などと伝えるより、もっとずっと気軽で簡単だということ。
これは、わたしが長くファッション誌の仕事をしていて、モデルさんや写真を見ながら「かわいい」「カッコいい」と毎日連発していたことで身についた習性かもしれませんが、言う側はまったく気負いがないのに、言われた側はとびきりうれしいのが、この「かわいい」「カッコいい」だと思うのです。
いずれにしても、ほめ言葉はカジュアルなほど効果的、というのがわたしの持論。お互い空気のような存在だとしても、呼吸するように「かわいい」と言い合える関係性なら、その家族はきっと安泰。家の中にはご機嫌なムードが漂っていることでしょう。
本記事は『伝え上手になりたい』(扶桑社)からの抜粋です
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note、Voicy、インスタグラムで人気のエッセイストが綴る、人間関係をスムーズにする気持ちの伝え方
仕事、子育て、夫婦、SNS……。私たちは日々の暮らしのあらゆるシーンで、相手に自分の意見や気持ちを伝えています。しかし、「自分は伝えるのが上手だ」と言える人はあまりいないのではないでしょうか。
数多くの暮らしにまつわる著作があり、note、Voicy、インスタグラムなどでも女性を中心に熱い支持を得ているエッセイストの著者が、これまでの半生を経て身につけてきた伝え方のコツを1冊にまとめました。読めば、自分も相手も気持ちよく暮らすための処方箋になることでしょう。
小川奈緒(おがわなお)
エッセイスト。1972年生まれ、千葉県出身。早稲田大学第一文学部文芸専修卒業後、出版社勤務を経て、2001年よりフリーランスに。ファッション誌のエディター&ライターとして活動したのち、現在は著作やnoteをメインに執筆を行っている。また、音声プラットフォームVoicyで「家が好きになるラジオ」のパーソナリティーを務めるほか、イベントやワークショップ、講演など幅広く活動中。
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