言葉の感度を磨けば、心地のいい場所を見つけられる
価値観の多様性を認めることと、他人を傷つける言葉を容認することは、わたしにとっては全く別の問題で、大切にしているものや興味の先が違っている人が隣に座ったとしても、別に傷つけたり傷つけられたりする必要なんてない。
言葉が放ったり引き寄せたりする力の大きさを知ったうえで、節度を持って言葉を使っていれば、自分と合う人は自然にそばに引き寄せて、合わない人はケンカしない程度の距離まで離れることができると思っています。
そうした言葉への感度を磨くためには、前述のわたしの例のように、自分が聞いてモヤッとする表現をやり過ごさないことも大切です。
「自分は何に対して違和感を持つか」がわかっていれば、自然に、自分にとって居心地のいい場所を見つけられるのですから。
本記事は『伝え上手になりたい』(扶桑社)からの抜粋です
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note、Voicy、インスタグラムで人気のエッセイストが綴る、人間関係をスムーズにする気持ちの伝え方
仕事、子育て、夫婦、SNS……。私たちは日々の暮らしのあらゆるシーンで、相手に自分の意見や気持ちを伝えています。しかし、「自分は伝えるのが上手だ」と言える人はあまりいないのではないでしょうか。
数多くの暮らしにまつわる著作があり、note、Voicy、インスタグラムなどでも女性を中心に熱い支持を得ているエッセイストの著者が、これまでの半生を経て身につけてきた伝え方のコツを1冊にまとめました。読めば、自分も相手も気持ちよく暮らすための処方箋になることでしょう。
小川奈緒(おがわなお)
エッセイスト。1972年生まれ、千葉県出身。早稲田大学第一文学部文芸専修卒業後、出版社勤務を経て、2001年よりフリーランスに。ファッション誌のエディター&ライターとして活動したのち、現在は著作やnoteをメインに執筆を行っている。また、音声プラットフォームVoicyで「家が好きになるラジオ」のパーソナリティーを務めるほか、イベントやワークショップ、講演など幅広く活動中。
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