• 60歳にしてはじめて自分の力で家を建て、自分のための朝時間を楽しむ「ミアズブレッド」店主・森田三和さんの「新しい朝の時間割」を拝見します。子育てと仕事に忙しく、向き合えないままだった“好きだったこと”を、一番好きな朝に楽しんでいます。
    (『天然生活』2024年5月号掲載)

    パンづくりもピアノも一日で一番好きな朝に

    朝はまっさらな気持ちで物事と向き合えるから、休日はめいっぱい朝時間を楽しみます。

    テキパキやりたい家仕事も、英語の勉強も、ピアノを弾くのも午前中。

    台所では同時進行で、パンやスープを仕込みます。

    森田さんの「朝の時間割」

    06:00 起床
    06:10 ブラインドやカーテンを開けて朝の光を取り込む
    06:15 白湯を飲みながら朝食準備
    06:30 朝食
    07:00 英語の勉強。仕事の日もアプリを活用してかならず
    07:30 さっと片づけ、植物に水やりをし、身支度を整える。同時進行で、台所で明日のパンやスープを仕込む
    08:00 家事の合間に景色を楽しむ。家の中にたくさん窓があり、神社や緑、空が見えてリラックスできる
    09:00 ピアノを弾く。20代のころに弾いていた楽譜で

    06:10窓から差し込む朝の光を楽しむ

    森田さんのお家には窓がたくさんあって、光が部屋いっぱいにめぐります。

    LDKの窓辺には、ブラインドとカーテン、どちらも取り付けて、日差しを調節。

    「お天気や季節によって光の差し込み方は変わるから、楽しみながら、全開にしたり、少し閉じたり。カーテンに映る木漏れ日もきれいなので、あえて閉めて楽しむことも」

    画像: 「TRACK」のソファに腰掛けると、空が見えて気持ちいい。カウンターにちょこんと座るのは黒猫のギータ

    「TRACK」のソファに腰掛けると、空が見えて気持ちいい。カウンターにちょこんと座るのは黒猫のギータ

    06:15白湯を飲みながら朝食づくり

    保温ポットに白湯を入れておいて、耐熱グラスに注いで、飲みながら朝ごはんの支度をします。

    「おなかになにか入れたくて、何度も注いでごくごく飲みます」

    ミアズブレッドでともに働く娘さんは出勤時間が早く、仕事がある日は沸かしておいてくれるそう。

    白湯で体の中から温め、朝から元気にテキパキと。夏場は水に替わります。

    画像: 台所に立ちながら、白湯を飲んで、心身を目覚めさせる。キッチンカウンターは以前、お店で使っていた什器や廃材を再利用してつくったそう

    台所に立ちながら、白湯を飲んで、心身を目覚めさせる。キッチンカウンターは以前、お店で使っていた什器や廃材を再利用してつくったそう

    画像: シンプルなグラスで。すぐ手に取れるように台所の片隅に出している

    シンプルなグラスで。すぐ手に取れるように台所の片隅に出している

    06:30朝食は毎日しっかり食べる

    朝食は、仕事の日も休日も変わらず、たっぷり食べます。

    きのこと納豆のソテーと、野菜のサラダをパンに添えて、季節の果物とヨーグルトも。

    パンは、マフィンやトーストなどそのときどき、家でつくったものを。

    「朝からちゃんと動けるように、体にいいと思う組み合わせで」

    いつものメニューだから段取りよく、さっとでき上がり。

    画像: マフィンは半分に切り、切り口を焼きたいから、網で炙る。フライパンでは、きのこと納豆のソテーが同時進行。いいにおいが台所に立ち込める

    マフィンは半分に切り、切り口を焼きたいから、網で炙る。フライパンでは、きのこと納豆のソテーが同時進行。いいにおいが台所に立ち込める

    画像: ヨーグルトと季節のフルーツを組み合わせ、グラノーラをトッピング

    ヨーグルトと季節のフルーツを組み合わせ、グラノーラをトッピング

    07:30さっと片づけて場を整える

    朝食を終えたら、食器を洗って部屋をさっと片づけます。

    「階段下にある猫たちのコーナーは、エサが散らばったりもするので、毎朝の日課。さっとほうきで掃いてから掃除機をかけますね」

    場がすっきり整ったら、身支度を整えて、重点的に掃除したり、書き物をしたり、ピアノを弾いたり……その日やりたいことを始めます。

    画像: 玄関から靴を脱いで上がったところまで土間。「玄関横にある、トイレの中も土間なんです。床に水を流すこともできるので掃除しやすいですよ」。照明も家具もひとつひとつがお気に入り

    玄関から靴を脱いで上がったところまで土間。「玄関横にある、トイレの中も土間なんです。床に水を流すこともできるので掃除しやすいですよ」。照明も家具もひとつひとつがお気に入り

    画像: 計量カップで鉢植えに水やり。乾燥していたら、そのつど霧吹きでも

    計量カップで鉢植えに水やり。乾燥していたら、そのつど霧吹きでも

    07:30台所の仕込みは家事と同時進行で

    あれこれ用事をしながらパンをつくったり、スープを煮たり、台所もフル稼働。

    「パンは夜のうちにこねて、冷蔵庫に入れておけば翌朝、生地を分けるところから始められます」

    この日は生地の半分をオーブンで焼いてブールに、残りは小さく丸めてフライパンで焼いてマフィンに。

    「シンプルな材料でお家でも簡単につくれますよ」

    画像: 三和さんの好きなオートミール入りの生地でパンづくり

    三和さんの好きなオートミール入りの生地でパンづくり

    画像: 「ル・クルーゼ」の白い鍋でつくる、さつまいも、かぶ、えんどう豆、ひよこ豆のスープ

    「ル・クルーゼ」の白い鍋でつくる、さつまいも、かぶ、えんどう豆、ひよこ豆のスープ

    09:00子どものころに習ったピアノをもう一度

    子どものころ、お父さんに買ってもらったピアノを愛用。

    結婚後も、引っ越しをするたび一緒だったけれど、忙しかったり、住環境の兼ね合いがあったり、なかなか弾けなかったそう。

    「調律もしてもらって、ようやく好きなだけ弾けるようになりました。いまはピアノの音がいとおしくて。若いころとはまた違う喜びがありますね」

    画像: 階段横は2階まで壁一面本棚。ピアノから手が届くところに楽譜を置く

    階段横は2階まで壁一面本棚。ピアノから手が届くところに楽譜を置く

    画像: 「60歳で建てた家」で楽しむ、新しい“自分のための”朝時間。ミアズブレッド・森田三和さんの朝の時間割

    坂本龍一など、若いころに親しんでいた楽譜でピアノを再開。大人のためのハノンといった初級の教本も。



    〈撮影/わたなべよしこ 取材・文/宮下亜紀〉

    森田三和(もりた・みわ)
    奈良「ミアズブレッド」店主。1997年にオープンし、現在、ならまちにてベーカリーとカフェを営む。息子が独り立ちし、ともに店に立つ娘、猫2匹と暮らす。フライパンでつくるマフィンのレシピを紹介する『ミアズブレッドのパンとサンドイッチ』(扶桑社)、エッセイ『サンドイッチブルース』(ループ舎)などの著書も。インスタグラム@miasbread

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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