(『天然生活』2022年8月号掲載)
夏こそ油汚れの大掃除
大掃除は年末にするという方も多いと思いますが、実は夏こそ大掃除のチャンス。
特にキッチンの油汚れは気温が高い夏のほうが、汚れが落ちやすくてラクチンです。
夏は雑菌やカビも気になりますが、清潔に保つことでそれらの予防もできます。ただし、冷蔵庫は中の食品を外に出すことで傷みやすくなってしまうため、夏は避けるようにしましょう。
キッチンの油汚れは、過炭酸ナトリウムを溶かしたお湯でつけ置き洗いを。下のイラストのようにシンクのごみ受けにポリ袋を敷いて、給湯器の高い温度(50~60℃)でお湯をためたら過炭酸ナトリウムを大さじ2~3溶かします。過炭酸ナトリウムはお湯で溶かすことで効果が高まるので、必ずお湯を使うようにします。

シンクの受け口と受け皿の間にポリ袋を挟めば、水圧で水をせき止められる
そこに換気扇、換気扇フィルター、五徳、魚焼きグリルなど、油汚れが気になるものを丸ごとつけ置きしましょう。30分ほどしてお湯が冷めたら排水し、石けんか食器用中性洗剤で洗って乾かします。
五徳などのこげ付いた汚れは、重曹をクレンザー代わりにふりかけてブラシでこすり落とせばOKです。換気扇や換気扇フィルターの掃除はできれば2カ月に一度、少なくとも半年に一度は掃除するようにすると、汚れも簡単に落とせます。
オーブンの天板、オーブントースターの網、ステンレスや鉄、耐熱のプラスチック類などのベトベトした油汚れも、この方法できれいにできます。ただし、過炭酸ナトリウムはアルミ製品には使えないので注意しましょう。
また、油とほこり汚れが混じったコンロ周りの壁は、重曹パックで掃除を。ボウルに1%の重曹水をつくってキッチンペーパーをひたし、汚れている場所に貼り付けます。5~10分後にキッチンペーパーをはがし、そのペーパーを軽く絞ってふき取り、最後に水ぶきをして仕上げます。重曹は水には溶けないので、重曹水をつくるときは必ず40度のお湯を使うようにしましょう。

〈イラスト/須山奈津希 取材・文/工藤千秋〉
本橋ひろえ(もとはし・ひろえ)
ナチュラルクリーニング講師。北里大学衛生学部化学科卒業後、化学薬品企業に就職。自身と子どものアトピー体質をきっかけに、掃除や洗濯、洗剤を科学的に解説する「ナチュラルクリーニング講座」をスタート。著書に『ナチュラルおそうじ大全』『ナチュラルおせんたく大全』(ともに主婦の友社)など。
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです