• 行き場のない猫たちを、新しい家族が見つかるまでの間自宅でお世話をする「猫の預かりボランティア」。小禄広海さんは、鎌倉と逗子の境にあるちいさな港町でお菓子づくりをする傍ら、保護猫活動の一環として「猫の預かりボランティア」を行っています。広海さんがお世話をする“預かりっ子”たちとの日常をつづった「ねこおば日記」。今回は、老猫シナとセオの、介護と愛情の日々をお話しします。

    セオのからだに起きたこと

    病院に行ってもあまりよくなりません。

    病院は、お正月休み、先生のインフルエンザで臨時休業と続き、確かその頃セオを撫でていて痩せているのにお腹が膨らんでいることに気づきます。

    休み明けの病院へふたたび行き、確認してもらうとやはり腹水が溜まっていました。

    腹水と聞くと咄嗟に考えてしまう病気があります。

    検査も兼ねて腹水を抜き、ただ、その病気の検査は別途高額なのと、老猫でなる可能性は低いともいわれました。迷ったものの、先生に相談してそちらの検査もしてもらうことにしました。

    結果、その病気、FIP=猫伝染性腹膜炎でした。

    FIPとは何かというと、感染症の一種で、80%以上の猫が感染しているといわれる病原性の低い猫ウイルスが、なぜだか体内での突然変異により病原性の高いFIPウイルスとなると考えられていて、この変異後のFIPウイルスがあっという間に猫の身体を蝕んでいきます。(ちなみに、変異後のウイルスは通常、変異前のように猫から猫に感染することはないと考えられています。)

    そして発症するのは子猫が多く、そのままだとほとんどがあっという間に死んでしまいます。

    保護活動している者にとっては最も嫌な病気のひとつです。

    実はシナと一緒に迎えたびんこも昔FIPで亡くしています。

    日に日に弱っていく我が子をただ見守ることしか出来ず、そこには無力感しかありませんでした。

    * * *



    画像: セオのからだに起きたこと

    小禄広海(おろく・ひろみ)
    幼少の頃からお菓子作りが好きで、Bakeromi(ベカロミ)という名前で活動中。現在は鎌倉、材木座にあるカフェに毎日お菓子を納める傍ら、猫の預かりボランティアを中心に保護活動もする、バタバタな毎日。来世はやはり家猫になりたい。
    インスタグラム@catladyorock@bakeromi



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