前回までは「装い」をテーマにお話してきましたが、今回からは、「暮らしの工夫」をシリーズでお届けしていきます。
たとえば、食材や生活用品を無駄なく使う方法や、ほかの形で生かすアイデアなど……。
ふだん私が暮らしの中で楽しんでいることを、いくつかお話ししていこうと思います。
今回は〈食材編〉。何の気なしに捨ててしまう野菜の皮や外葉、種などをおいしく食べ切るアイデアや、生活の中で気軽にできる活用方法などをご紹介していきますね。
「食べ切る」が習慣になったきっかけ
私が食材を使い切ることを心がけはじめたのは、偏食だった幼い娘のために、あえて味つけや調理に手をかけない「シンプルな料理」をするようになったことがきっかけでした。
ゆでただけ、蒸しただけ、焼いただけ。
素材そのもののおいしさを引き立てるような、そんなシンプルなメニューをつくるようになると、自然と有機栽培や地の野菜のおいしさに気づくように。次第に積極的に手に取るようになりました。
農薬の心配のない元気な野菜だったら、皮や外葉だって食べられるはず。
試しにさっと料理して口にしてみると、部位によって、それぞれ違ったおいしさがあることにも気づいたのです。
また、小さな頃からいわゆる「おばあちゃんの知恵」的な文化に憧れがあり、何でも捨てる前に「これを生かして何かできないだろうか」と、探求したくてうずうずする私。
調理中はいつも、皮や種を捨てる前に一考。
「これも食べられるかな?」の思いつきをあれこれ試し、食べ切るレパートリーが少しずつ増えていきました。
〈写真・文/美濃羽まゆみ 構成/山形恭子〉

美濃羽まゆみ(みのわ・まゆみ)
服飾作家・手づくり暮らし研究家。京町家で夫、長女ゴン(2007年生まれ)、長男まめぴー(2013年生まれ)、猫2匹と暮らす。細身で肌が敏感な長女に合う服が見つからず、子ども服をつくりはじめたことが服飾作家としてのスタートに。
現在は洋服制作のほか、メディアへの出演、洋裁学校の講師、ブログやYouTubeでの発信、子どもたちの居場所「くらら庵」の運営参加など、多方面で活躍。著書に『「めんどう」を楽しむ衣食住のレシピノート』(主婦と生活社)amazonで見る 、『FU-KO basics. 感じのいい、大人服』(日本ヴォーグ社)amazonで見る など。
ブログ:https://fukohm.exblog.jp/
インスタグラム:@minowa_mayumi
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