(『天然生活』2020年7月号掲載)
「塩麹のラタトゥイユ」のつくり方
さっと煮ただけなのに、長く煮込んだかのようなまろやかさ。それ自体に深いうま味がある、塩麹の力です。
塩麴
米麹と塩、水を合わせて発酵。麹菌だけでなく、乳酸菌や酵母菌、そのほか、さまざまな微生物が発酵過程で働きます。

材料(つくりやすい分量)
● トマト | 150g |
● なす、ズッキーニ | 各100g |
● 玉ねぎ | 80g |
● にんにくのみじん切り | 1/2片分 |
● 塩麹 | 大さじ2 |
● オリーブオイル | 大さじ1 |
● オレガノ(乾燥) | 少々 |
つくり方
1 野菜はすべて小さめのひと口大に切る。
2 鍋ににんにくとオリーブオイルを入れ、弱火にかける。にんにくの香りがたってきたら、玉ねぎ、なす、ズッキーニの順に炒め、塩麹を加えて炒め合わせる。
3 2の野菜がしんなりしてきたらトマトを加える。トマトが煮くずれて全体に汁けがなじむまで煮る。器に盛り、オレガノを散らす。
健やかな体を保つために「発酵食品」を自然に取り入れて
健康を保つには、免疫力を上げることが重要。そのためには、体内の免疫細胞の6〜7割が存在するという腸を健やかに保つことが大切です。
その腸内環境を整えるのに有効とされているのが発酵食品。造り酒屋を営む家に生まれ、発酵を身近に感じてきた寺田聡美さん一家の食卓には、いまも昔も当たり前に発酵食品が並びます。
「家族みんな、少々の不調は、体を休めることで治ってしまいます。これも、発酵食のおかげでしょうか。毎日無理なくとるなら、塩麹を活用するのがおすすめ。塩を塩麹に置き換えるだけで、気負いなく料理に取り入れられます。発酵食品はそれ自体に深い味わいがあるので、栄養面だけでなく、簡単においしくなるのも長所です」
「食べ物の消化は、体にとって重労働。本来は腸ですべきこの働きを、発酵食品は自然に助けてくれます。体の負担を減らしてあげるのも、夏の暑さで失われがちな体力を保つのには、効果的ですね」
〈料理/寺田聡美 撮影/山田耕司 スタイリング/竹内万貴 取材・文/福山雅美〉
寺田聡美(てらだ・さとみ)
創業340年の造り酒屋「寺田本家」23代目の次女として生まれる。発酵に親しむ暮らしのなかから生まれたレシピが好評。著書に『寺田本家 発酵カフェの 毎日おいしい麹レシピ』(家の光協会)など。
https://www.teradahonke.co.jp/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです