(『天然生活』2024年8月号掲載)
熱がこもり、熱帯夜で「眠れない」夜のためにしたいこと
01 梅雨の「モヤモヤ不眠」は胃腸ケアを

「夏は眠れない」と話す人が多いですが、梅雨どきの不眠は、水分代謝が悪くなっているのが原因。体がモヤモヤしてむくみやすく、夢が多くなるのが特徴です。
この不眠は、胃腸に湿気がたまらないようにするのがポイント。胃腸を弱める原因となる冷たいもの・甘いもの・生ものをできるだけ避け、温かく消化のいい食事をすることが、不眠解消の第一歩です。
02 真夏の「ソワソワ不眠」は夏野菜を

熱帯夜が続く真夏も、体に熱がこもってクールダウンできず、眠りが浅くなりがち。なのでこの時季は、熱を冷ましてくれる夏野菜を毎日しっかり食べることが、不眠改善につながります。
熱中症対策でも出たゴーヤやトマトを筆頭に、きゅうり、なす、ズッキーニなどを、特に晩ごはんに食べるのがおすすめ。火を入れて調理すると、消化吸収もスムーズです。
03 昼食後の「5分睡眠」で寝不足解消

太陽に当たり、汗をかくだけで、体力を消耗する夏。夜の睡眠だけで休息が足りない場合は、昼寝がおすすめです。東洋医学ではとくに11時から13時までが夏の臓器「心(しん)」の回復に役立つといわれています。
ただし長く寝ると夜の睡眠に影響するので、長くても20分くらいまでに。涼しい快適な空間で、椅子に座って目をつぶるだけでも、体力回復につながります。
〈監修/瀬戸佳子(源保堂鍼灸院) 取材・文/田中のり子 イラスト/カトウミナエ〉
日々の食から健康になる「薬膳」のある暮らしと、シンプルレシピ集
「薬膳」「漢方」を健康のために積極的に取り入れる人が増えています。薬膳は、季節や体調に合わせて食材を選び、バランスの取れた食生活によって健康を保つ知恵です。旬の野菜は無理なく取れて値段もお値ごろ、そしてその季節に多い不調を改善する力があります。ぜひ日々の食生活や生活習慣に「薬膳」を取り入れて、健やかな体づくりを。ウー・ウェンさん、コウ静子さん、小鮒ちふみさんの薬膳料理のシンプルレシピも収録しています。
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瀬戸佳子(せと・よしこ)
国際中医薬膳師、国際中医専門員。東京・青山の「源保堂鍼灸院」併設の薬戸金堂で、漢方相談を行う。雑誌やweb、セミナーの講演などでも幅広く活躍する。著書『お手軽気血ごはん』『季節の不調が必ずラク~になる本』『気血スープ 1週間で胃腸が必ずよみがえる』(すべて文化出版局)が発売中。
https://genpoudou.com/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです