• 80歳のデザイナー・斉藤照子さんの、服づくりの現場を拝見します。「ふたりの妹たちにお金をかけずに、服をつくってあげたい」という思いから、高校卒業後に洋裁を学んだ斉藤さん。いまは自由な服づくりに没頭する、ときめく毎日を過ごしています。
    (『天然生活』2024年9月号掲載)

    自宅2階の角部屋で時間を忘れてミシンをふみふみ

    斉藤さんが日々作業をするのは自宅2階の角部屋です。

    左右の壁に大きな窓があり、開け放つと風がすっと抜けていく気持ちのいい空間。

    晴れていれば、川崎市と木更津市をつなぐ高速道路、東京湾アクアラインが遠くに望めます。

    そして作業台には年代もののミシン、刃がすり減った裁ちばさみ、針刺しといった道具類が並び、どれも大切に使い込まれてきたことがうかがえます。

    画像: 庭の手入れや犬の散歩などの家事をすませ、作業開始は昼ごろ。暗くなり始める夕方まで時間を忘れて没頭。長年使ってきたミシンはいまや修理するにも部品がなく、限界に近い状態

    庭の手入れや犬の散歩などの家事をすませ、作業開始は昼ごろ。暗くなり始める夕方まで時間を忘れて没頭。長年使ってきたミシンはいまや修理するにも部品がなく、限界に近い状態

    別の作業台には見慣れない形をした白のものさし。そこには文化服装学院と印刷された文字が。

    「ふたりの妹たちにお金をかけずに、服をつくってあげたい」という思いから、高校卒業後、文化服装学院で4年間、洋裁を学びます。

    「当時は既製服がほとんどなくて、自分でつくるか、お店でつくってもらうかの時代でしたから。でも、手芸とかが好きだったのかもね、やっぱり」

    画像: 袖ぐりなどゆるやかなカーブをつくるときに使うものさしで、文化服装学院時代から愛用

    袖ぐりなどゆるやかなカーブをつくるときに使うものさしで、文化服装学院時代から愛用

    ▼デザイナー・斉藤照子さんの記事はこちら



    〈撮影/落合由利子 構成・文/水野恵美子〉

    斉藤照子(さいとう・てるこ)
    ハンドメイドの服づくりに携わってきて半世紀以上。いまは自分のつくりたいものを自由に楽しみながら創作活動中。手にするデニムシャツは約50年前、子どもにつくったもの。編み物好きでもあり、ニット作品も多く手掛ける。SAITOSHOP

    ※記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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