• 写真と文を軸に、さまざまな表現をする七緒(なお)さん。鎌倉山の麓で育むゆるやかな暮らしと、15年以上積み重ねてきた“セルフケア”の小さなアイデアをお届けします。今回は、セルフケアの源「台所」について。忙しい日々でも、心地よくあることを忘れずに。ゆるく始められる気軽なケアで、毎日のすこやかな変化を楽しんでみませんか。

    手を動かすことは、自信を取り戻すこと

    こんにちは、写真と文の七緒です。うだるような暑さが続きますが、皆さん調子はいかがですか?

    わが家は、初夏に仕込んだシロップが大活躍。梅シロップを炭酸水と合わせてぐびっといただくだけで、体の内側から力がみなぎってきます。

    鎌倉山の麓で暮らしはじめて「自分でつくれるかも?」が、家族の合言葉になっています。なぜなら初心者でも手を動かしてみたら、案外形になることを実感しているから。

    画像: 手を動かすことは、自信を取り戻すこと

    たとえば野菜づくり。種を蒔いて、水をあげて、目をかければ、すくすく育っていきます。とっても簡単で、私にもできた!と小さな自信にもつながります。

    きっと手を動かすことは、自信を取り戻すこと。スピード重視な現代において、自分でつくれたという喜びは、灯台のように心を照らしてくれます。それはセルフケアともまっすぐつながっているのです。

    “小さな薬草店”をイメージに
    心身を整えるセルフケアの源、台所

    画像: “小さな薬草店”をイメージに 心身を整えるセルフケアの源、台所

    今回はセルフケアの源「台所」について。

    ハーブティーを淹れたり、白湯を沸かしたり、はちみつ大根をつくったり。心身を整えるセルフケアと台所は切っても切り離せません。家族のあたたかな記憶を育む場所でもありますね。

    実は、この家を選んだ一番の決め手は台所でした。

    はじめて目にした瞬間、心奪われたことを覚えています。大袈裟かもしれませんが、ビビっと来たのです。

    画像: 内見の日に撮った1枚

    内見の日に撮った1枚

    曇りガラスからさしこむ繊細な光、古い木の建具で構成された佇まい。引っ越し前、小説『西の魔女が死んだ』のような暮らしをできたら…と妄想していましたが、目の前の光景は、まさにそれでした。

    ふと湧いたイメージは、小さな薬草店。おばあちゃんが一人で営んでいて、静かでくつろげる…そんな空間。それでいてガシガシ使えるよう、使い勝手も良く。

    築50年という古い台所ならではの「情緒」と、忙しい日々を支える「使いやすさ」を両立するために、心がけていることを3つご紹介します。

    心地よい「台所」をつくるための3つのルール

    ①「情緒」と「使いやすさ」を叶える自然素材

    画像: ①「情緒」と「使いやすさ」を叶える自然素材

    時を重ねてきた情緒を活かせるよう、空間は自然素材で構成しています。経年劣化でボロボロだった床は、大工さんに杉板をアンティーク加工してもらい、新しく張り替えました。

    ただ、台所が家の北側にあるため、そのままだと暗く野暮ったい印象に(古い家あるあるですね)。そこで業務用のステンレスキッチン、無印のスチールユニットシェルフを取り入れ、洗練感を。汚れもさっと拭けて、お手入れも楽ちんです。

    器、道具、保存容器も、自然素材が多いです。雰囲気に合うのと、自然素材に囲まれていると、シンプルに心地いいです。

    ②器や道具は厳選し、手が届くところに

    画像: ②器や道具は厳選し、手が届くところに

    わが家の台所はユニークな五角形。狭さを活かして、少ないアクションで欲しいものに手が届くよう工夫しています。

    道具は取り出しやすい場所にS字フックや釘を打って吊るして。ポットや器はガラス戸棚に。どれも1〜2歩歩けば手が届きますし、見せる収納にすることで、出し入れ簡単。見るたびに心もときめきます。

    ものが多くなると一気に雑然とするため、多くは持たないように。

    画像: カラフルなマグは、上が東絵理さん・下がドウガミスミコさんのもの

    カラフルなマグは、上が東絵理さん・下がドウガミスミコさんのもの

    つい増えてしまう器も、大切なものを厳選。私は地産地消マインドで、住んでいる町の器屋で選ぶことがほとんど。以前住んでいた清澄白河の雑貨店「WOLK」、鎌倉の器屋「うつわと手仕事 廻り道」がお気に入りです。

    ③ハーブティーは分かりやすく美しく収納

    画像1: ③ハーブティーは分かりやすく美しく収納

    毎日楽しむハーブティーは、よく飲むハーブを厳選して、ガラス戸棚に並べました。色鮮やかなハーブが並んでいるさまは、訪れる人から「わあ♡」と歓声が上がることも多いです。

    ハーブティーの保存は、常々悩みの種でした。買ったままのプラ袋で保存すると、中身が分かりづらく、ごちゃごちゃしてしまう。袋がバタバタっと倒れてしまうのもストレスでした。

    そこで「チャーミークリアー」に統一したことで使いにくさがなくなってスッキリ。透明で中身がすぐ分かり、スタッキングできて省スペース。フタをあけるのもラクで、数百円と安価!

    白のポスカでラベリングすることで、薬草店のような見た目に。

    ※ハーブは冷暗所での保存がベターです。個人の楽しみの範囲なので気にしていませんが、ご留意くださいね。

    * * *

    画像: 台所から眺める庭にも癒やされます

    台所から眺める庭にも癒やされます

    住みはじめて1年が経つ今も「いい台所だなあ」と心が躍ります。それは情緒と使いやすさのバランスが取れているから。

    忙しい日々を助ける使い勝手と、心地よさを大切に。私のインテリアルールはセルフケアの在り方とも繋がっているようです。



    〈撮影/星 亘(3枚目:七緒) 文/七緒〉

    画像2: ③ハーブティーは分かりやすく美しく収納

    七緒(なお)
    写真と文。「毎日も人生も、心地よく」というテーマで、鎌倉山の麓に暮らしながら、心とからだが楽になるセルフケアの知恵を届けている。Voicy「心地よくきく、セルフケアジャーニー」も好評。著書3冊、1児の母で、植物療法士としても学びを深めている。
    インスタグラム:@naotadachi
    ラジオ(Voicy):心地よくきく、セルフケアジャーニー
    note:https://note.com/naotadachi



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