• 兵庫県の北中部、緑豊かな里山に家族4人で暮らす居相大輝さん。3年に及ぶ新築・改装を経てようやく始動した、新たな拠点を訪ねました。自分たちの美意識をちりばめたという新居はどこを見ても美しく、まさに創作物のようです。
    (『天然生活』2024年9月号掲載)

    自分たちの美意識を集めた住環境へ

    画像: 一からつくった新居。母屋と茅葺屋根のバススペースは、大輝さんが古瓦を葺いた回廊でつながっている

    一からつくった新居。母屋と茅葺屋根のバススペースは、大輝さんが古瓦を葺いた回廊でつながっている

    池や丘陵、樹林も有する広大な敷地。服飾作家の居相大輝さんが暮らすこの場所は、自然の息吹にすっぽりと包まれています。

    近くの集落での1年半の仮住まいを含め、転居まで約3年をかけて手づくりした新たな拠点。

    木造の建物や水路跡らしき石積みなど、人の営みの形跡はあるものの「出合ったときは背丈ほどの笹で覆われていた」というこの土地を、妻の愛さんとともに少しずつ整えていきました。

    画像: 古い建物を改装したアトリエの前で微笑む、居相さん一家。大輝さんが仕立てた服が素朴な景色にしっくりとなじんでいる

    古い建物を改装したアトリエの前で微笑む、居相さん一家。大輝さんが仕立てた服が素朴な景色にしっくりとなじんでいる

    もともとあった古い家は内装に手を入れて服づくりのアトリエに。そして、家族の住まいはゼロから自分たちでつくり上げました。

    「人生のなかで1回、居住空間をつくる感覚を体感したかったんです」という大輝さん。

    「栃木県茂木町で出合った小屋が魅力的で、こういう素材感や雰囲気にしたいなと。

    そこを手掛けた棟梁の齋藤次郎丸さんに住み込みで来ていただいて、手ほどきを受けながら、素材集めや壁塗りなど、ひとつひとつ進めていきました」

    画像: 天井が高く、無垢材や土壁など自然素材で囲まれた台所

    天井が高く、無垢材や土壁など自然素材で囲まれた台所


    〈撮影/辻本しんこ 取材・文/山形恭子〉

    居相大輝(いあい・たいき)
    1991年生まれ、京都府福知山市で育つ。幼いころから服への興味があり、10代でミシンを購入。独学で服づくりを学び、2015年にファッションブランド「iai」を立ち上げる。暮らしの身のまわりにある草木根皮での染色、風土や土地の風景が生きる手仕事の衣服を日々制作。2023年12月より兵庫県朝来市へ移住。妻の愛さんとふたりの娘と暮らす。
    インスタグラム:@_____i_a_i/

    ※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです



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