(『天然生活』2024年9月号掲載)
日常から広がるクリエーション

湧き水や植物の繊維など、この土地の素材を用いて服づくりをしている大輝さん。環境や生活と地続きにあるような「風景が形づくる服」を生み出している
着想から縫製まで、すべてを担う大輝さんの服づくり。
使う生地もオリジナルをオーダーするのではなく、織物の産地に足を運び、心が動く布を選び、ときには庭木を活用して染色をしたり、手縫いで模様を施したり、自由に軽やかに、自分の作品に昇華させていく。

大輝さんの手掛ける「iai」の服。すべて1点もの

麻と絹の布で仕立てたワンピース。「生地には僕が刺し子みたいにして模様を加えています」。残布を活用して子ども服も制作
あるものから見極めて生かしていくその手法は、古家の風情を大事にしながら改装したアトリエや、昔の素材を組み合わせた新居のつくり方とも共通しています。

古道具がなじむアトリエ。藍を練り込んだ土壁を塗るなど、昔の建物を生かして改装した
〈撮影/辻本しんこ 取材・文/山形恭子〉
居相大輝(いあい・たいき)
1991年生まれ、京都府福知山市で育つ。幼いころから服への興味があり、10代でミシンを購入。独学で服づくりを学び、2015年にファッションブランド「iai」を立ち上げる。暮らしの身のまわりにある草木根皮での染色、風土や土地の風景が生きる手仕事の衣服を日々制作。2023年12月より兵庫県朝来市へ移住。妻の愛さんとふたりの娘と暮らす。
インスタグラム:@_____i_a_i/
※ 記事中の情報は『天然生活』本誌掲載時のものです
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