スルッとおなかに入る、やさしい味わいの薬膳スープ

暦の上では秋ですが、まだまだ残暑が続いています。
この時季は水分不足になりやすいので、体に溜まった熱を出して水分を補い、乾燥する本格的な秋に向けて体を潤すといいでしょう。
辛いものや冷たいもの、油っこいものは胃腸に負担をかけるので極力控えましょう。
今回は、体の熱を取り、水分を補う「冬瓜」と体を潤して疲労にも効果のある「帆立」を使ったおつゆを紹介します。
帆立缶を使うと簡単につくれます。仕上げに潤いを補う「白ごま」を散らします。
帆立のだしが効いていてやさしいお味です。とろりとして、食欲のないときにもスルッとおなかに入ります。
「帆立と冬瓜のおつゆ」のつくり方

材料(2人分)
● 冬瓜 | 150gほど(正味100g) |
● 帆立缶 | 70gほど |
● 昆布 | 5cm角 |
● 薄口しょうゆ | 少量 |
● 炒りごま | 大さじ1 |
つくり方
1 冬瓜は皮を厚くむいておろす。


2 鍋に帆立缶を缶汁ごと入れて昆布と水200mLを加え、昆布がふやけたら弱火にかけて、沸いたら昆布を取りのぞく。

3 冬瓜を入れて弱火で10分ほど火にかけて、薄口しょうゆ少々で味をととのえる。炒りごまをひねりながら加える。

荒木 典子(あらき・のりこ)
料理家。国際中医薬膳師。青果卸を営んでいた料理上手の祖母と、母の影響で食に関心のある環境で育つ。神戸女学院大学文学部を卒業してフランスへ留学し、帰国後調理師学校にて料理の基礎を学び、調理師免許を取得。その後、上京して料理本の編集者として働いたのち、2007年に料理家として独立。
現在は書籍やテレビの仕事を中心に、企業へのレシピ提供、料理店の監修などの仕事とともに、和食のお料理教室を主催。季節のていねいでシンプルな料理をモットーに、家庭でできる日本料理と洋食などレシピを提案する。また、おせち料理をライフワークとし、ほかにお雑煮の会を主催。著書に『いちばんくわしい 基本のおせち料理』『炊き込みごはん』(ともに成美堂出版)などがある。
インスタグラム:@aranoric
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